「文平舎監スーパーへの買い物旅行」  

 

私、文平舎監は、ある日、日常の買い物のためスーパーマーケットへ足を運んだ。

夕暮れ時、自転車で駐車場に入ると、一組のカップルが視界に飛び込んできた。

 

 

 

その男子、B君は私達が通う国立スペシャル・アスリート高校バスケット部のの生徒だった、一緒にいる女子は彼の同級生だった。

私は目を細め、彼らの方をひと目見て、「彼女ができたのか。良かったな、B君」と心から喜んだ。だが、直接会うのは避けたかった。しかし、B君は私に気づいたようで、こちらを見ていた。

 

「面倒だな」と思いつつも、私は視線をそらし、彼を無視することにした。しかし、B君は何度もチラチラと私を見ていた。彼の視線は自慢げで、その自慢げな視線が私の神経に触れ、不快感を引き起こしていた。

 

「さっさと買い物を済ませよう」と心に誓い、野菜売り場に向かった。野菜をカートに入れ、次に肉を選ぶ――その間にも、文房具やカップラーメンのコーナーで再びB君と遭遇した。彼は今度は一人で私の方を見ていた。

「またか」とため息をつきつつ、私は最後にウイスキーを買うことを思い出した。ウイスキー売り場に向かうと、再びB君がいた。彼はわざとらしくポテトチップスを眺めていたが、その目は私を追っていた。

 

そこで、思い切ってB君に声をかけることにした。「君たちは一体何をしているんだ?」

B君は驚きつつ、「あ、文平さんですよね」と答えた。

私「なんで、さっきからジロジロ私を見て、つけ回している?」

B君「文平さんに、僕の彼女を見てほしくて」

私「ああ、かわいいね、かわいいね(棒読み)」

B君「え? それって、かわいくないってこと?」

私「まあ何から何まで平凡だ。それより、低身長の女の子が長身の男の子を求めるのはDNAの中に仕込まれている必要条件マッチングシステムのせいだ。それよりB君、君はスポーツに打ち込めばいい。それでは皆さん、ごきげんよう」

そして私は、そっけなく去っていった。

B君は突如怒り出し、馬の被り物をつけて首を振った。しかし、機嫌が収まると彼女と再びデートを始めた。

 

私「厳しすぎたかな。これが教育者の悪いところだ。管理よりも愛だよな。そうだ、彼らの愛が実るように、アマゾンでポチろう」

その後、もう一つの馬の被り物が届いた。そして、再び夕方にイオンへ行くと、片方が馬で片方が女の子のカップルがいた。

私「おーい、君たち、プレゼントするよ。これだよ」それは、もう一つの馬の被り物だった。

 

Fin    ©Bunpei Satou

 

※ この作品のストーリーはフィクションです。団体の

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