あの頃、彼に愛されてた。

でも自分だって、確かに好きだった。

 

安西さんのファンタジーも好きだけど、

やっぱりこういうしっとりとした

恋愛ものも真骨頂って感じで

いいですよね〜!!

 

元恋人同士で再会もの。

しかも普通に再会、というのではなく、

相手は記憶障害となって

自分の記憶を取り戻すために

会いに来た、という形で

再び学生時代の恋愛が7年経って動き出す‥。

 

安西 リカ著「恋をしていたころ」

建築事務所で働く一葉には、生涯でただ一人、同性の恋人がいた。その彼、仁科からある日七年ぶりに連絡があった。実は仁科は事故で軽度の記憶障害を煩い、一葉のことも別れた理由も思い出せないのだと言う。仁科とは大学院で出会い、その情熱に巻き込まれるように恋に落ち、才能溢れる彼の隣にいるのが辛くなって別れた‥‥。かつての記憶はないのに仁科の瞳に今も一葉への好意が見え、心が揺れる一葉だが‥‥?

 

かつての恋人が記憶障害となり再会。

嫌いになって別れたわけじゃなく、

同じ道を志す仲間でありながら

相手が一歩も二歩も前に進み、

その才能に嫉妬してしまったから。

今だったら同じ建築でも建てるジャンルが全然違うし、

互いに建築家として若いなりに実績も残している。

なので嫉妬のような気持ちはわかないかもしれないのだけど

学生のうちは仕方ないよね。

仁科は学生の頃から有名ではあったけど

自分にはない才能を見せつけられたら、

憧れと同時に悶々としたものを抱えてしまうだろう。

そんな一葉の気持ちはとても伝わってきたのだけど、

相手の仁科が何を考えているのかちょっとわからないタイプ。

クールで口数も少ないし一葉が別れを切り出してもアッサリ受け入れちゃう。

このアッサリさに最初はビックリもしたんだけど

彼のことを知っていくとそれにも納得。

そして本当はとても愛情深く、

一葉に対しては並々ならぬ執着をもっていたんだよね。

 

やっぱり安西さんはこういう気持ちの機微を書くのが

上手いなーー!!

一葉のことだけを忘れてしまい、思い出せないっていうのも

仁科がそれだけ一葉のことをすごく好きだったから。

一葉と別れたことが本当に辛い記憶だったのがわかる。

じゃあなぜあっさり別れを受け入れたのか。

それは回りからは恵まれているように見えていた

仁科の辛い過去(トラウマ)に起因していたのだ。

そういう仁科のトラウマを知ってしまうと

ギュッと抱きしめてあげたくなるよね。

 

一葉も、好きだからこそ一緒にいるのが辛くなり

別れちゃったわけなので、

昔と変わらない好意を向けられたら

そりゃ感情もぐらぐらくるってものだ。

 

一葉が飼っているワンコのはちみつも

二人のピリピリしそうになる間柄の

いい緩衝剤になっていて良かった。

ワンコの威力は絶大だw

 

二部は別荘で過ごす二人と

先に別荘にいた仁科の従兄との話になるんだけど、

従兄に啖呵切る一葉にスッキリしたわ〜!!

私はてっきり仁科の方が先にきっぱり従兄に言うのかと思ったら

その前に一葉が切れちゃうというw

 

二人で作るお家がどんな感じになるのか

ちょっと見てみたいよね。

 

H度ドキドキドキドキ

ストーリー度満月満月満月満月

 

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