こんな可愛い顔、

隠しておくのが正解だ。

 

やっぱりムクさんのイラストは

可愛くていいね!!爆  笑

そんな表紙とタイトルから

可愛い話なんだろうな〜なんて

勝手に思っていたら

すごく真面目な内容で結構重く、

オメガってことだけじゃなくて、

すべてのマイノリティに通じる話だと思えた。

本当の自分を出すっていうのは

とても勇気のいることだけど、

そういうことも含めて

とても考えさせられる作品でした。

 

海野 幸著「ウサ耳オメガは素直になれない」

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ウサ耳オメガの理人は、幼い頃に耳の切除をして以来オメガ性を隠してきた。アパレル会社の広報として働き始め、圧倒的アルファの風格を放つ同僚のデザイナー・汐見に惹かれていたが、「一目惚れなんて信じない」と強がって素直になれない。一人になって汐見への態度を反省する日々。あるときヒート中の情緒不安定な姿を見られてしまい…? 「ギャップにやられた。可愛いがすぎる」。寂しがり屋のひねくれウサギがとろとろになるまで甘やかされる、不器用な獣耳オメガバース恋!

 

オメガには発情期があってアルファを惑わすフェロモンを出すー。

そのためオメガはいつだって偏見や迫害の対象だった。

なのでオメガというだけでやっぱりそこはハンデというか

色眼鏡で見られるところがあるというのに、

この世界のオメガは

オメガだけにケモミミが生えているのだ!

ケモミミの種類は人によって様々なんだけど

外見だけでも一目でオメガとわかってしまうから

その耳を切り取るというのが今や一般的になりつつある。

それってオメガを守ることでもあるのだけど、

オメガに惑わされるアルファを守ることでもある。

 

オメガの理人は小さい頃に事故をきっかけに

両親によってケモミミを切除させられていた。

でもそれで両親も喜んでいたし自分もそれで良かったんだ、と

思って生活してきていた。

だけどオメガ性がそれで違う性になるわけではなく、

発情期がくると苦しくなるのは変わらない。

ただ回りからはオメガであることを隠せるというだけだ。

理人はバリバリ働いていた会社を辞め

素のままのオメガでいられる洋服を作っているアパレルメーカーに再就職する。

ここのブランドはケモミミを隠すことなく

逆にそれを魅力的に見せてくれる洋服なのだ。

かつて理人もここの服を着た時、両親が可愛いとすごく褒めてくれたのを覚えていた。

そしてこのブランドのデザイナーである汐見に惹かれていく。

以前具合が悪かったところを助けてくれた汐見。

再就職先で再会し喧嘩しつつもいい関係を築いていたのだが、

そこに理人と同じウサギのケモミミを持つ来栖が入社してきた。

オメガでありながらもケモミミを切除することなく

ありのままの自分をさらけ出す来栖に

いつしか自分が押さえ込んでいた心の傷口が開き出し

情緒不安定になってしまう。

 

単なる恋愛模様を書いているんじゃくて、

社会情勢も織り交ぜられて

より理人の葛藤が読者に伝わるようになっている。

単に甘い恋愛ものじゃない。

汐見が付け耳をデザインして売り出ししたときも、

そのコンセプトに考えさせられたし、

何よりケモミミを切除するかしないか、ではなく

なぜ切除しなくてもいい世の中にならないのか、という根本を

誰も論じることはしない、ということに

そういうことって自分たちが普通に生きていくこの社会でも

あるよな〜って思うと

なかなか奥が深い作品と感じました。

 

そういうことも含め理人のウサギ特有の性質と混ざって臆病なところと

でも外では強気なキャラで通しているこのギャップが

キャラとして魅力を出しているのね。

汐見も身体は大きく力持ちで優しいってタイプ。
およそ繊細さからかけ離れた人に感じたけれど、
実は誰よりも繊細なんじゃないかな。
だから他人の弱さや傷にも気付くことができる。
何よりそうじゃなきゃああいう洋服って作れないよね。
考えさせられる作品だけど、
それ以上に優しさに触れられた作品だったとも感じたかな。
 
オメガバースが苦手な人にも
是非読んでもらいたい一冊です!!
 
H度ドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月三日月

 

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