俺たちはまるで、

違う生き物みたいだ

 

2冊まとめてレビューいたします。

はっきり言おう。

攻めはクズだ!!!!!

思いっきりクズだっっっ!!!!

これから読もうと思っている方は

そこを承知の上で読んだ方が良いかも知れない。

(まあ、のちほど攻めは後悔するんだけどね。)

しかも前巻はレ○プシーンがちょいちょい出てくるんで

そこもNGの方は気をつけた方がいいと思います。

私は攻めはもっと苦しむべしと思っているんだが、

彼よりももっと罰を受けねばならない輩もいるので

なんだろう‥‥クズばっかななかで、

攻めの親友が本当にいい人に映りましたよ。

樋口さんの狙い所というか、言いたいことはわかるけれど、

攻めばかりか、どちらかというと受けも好みではない。

こんなことばっかり書いていたら怒られそうだけど、

作品としてはお話は面白かったんですよね〜。

ほんとだよ。

 

樋口 美沙緒著「わたしにください」「わたしにください—十八と二十六の間に—」

わたしにください (白泉社花丸文庫) わたしにください (白泉社花丸文庫)
792円 Amazon

クラスメイトのほとんどから名前も覚えてもらえない「学級委員長」の崎田路は、自分とは何もかも正反対で、クラスでもカリスマ的人気の森尾が嫌いだった。もちろん森尾も、ただ真面目なだけで面白みのない路のことなど歯牙にもかけてはいなかった。ところがある事件をきっかけに、路は森尾に組み敷かれ、その体をめちゃめちゃにされてしまう。突然激しい憎しみをぶつけられ、森尾に心底嫌われていることに、思いがけず傷つく路だったが―。高校生たちの、痛々しい恋と葛藤を描いた衝撃作!

 

わたしにください-十八と二十六の間に- (白泉社花丸文庫) わたしにください-十八と二十六の間に- (白泉社花丸文庫)
869円 Amazon

傷つけ合いながらも、ようやく距離を縮めることができたはずの路と森尾だったけれど、それぞれの恋情はこじれたままだった。路への強い想いを自覚しながら、路を激しく傷つけた自分が許せず、再び想いを伝える資格がないと思い悩む森尾。そんな森尾を追い詰めるかのように、後輩・臼井が路に近づき、「退け」と森尾に迫る。始め方を間違った二人の想いはすれ違い、そして森尾が下した決断は―。「わたしにください」のその後、多感な高校時代を経て、大人になるまでを描いた続編登場!

 

 

前巻は高校時代、そしてサブタイトルのとおりその後大学生、社会人と書かれていきます。

人間も動物なので、

集団になると弱いものイジメ、人と違うということだけでイジめてしまう。

路はまさにそういう意味では弱者だった。

生まれつき身体も弱く視力も弱く、なので同学年の子たちと

遊んだり、運動したり、そういうことについていけなかったのね。

なので、本人もちょっと卑屈になってしまっているとこがある。

どうせボクは‥‥みたいなね。

だから唯一皆より出来る勉強は一生懸命だったのだ。

そんな路が小学生の頃からある同級生の事が気になっていた。

彼はいわゆるスターで自分とは全然違う存在。

憧れを抱いていた。それが森尾だった。

高校も森尾と同じだったのだが、もちろん二人は共通点がないため親しいわけじゃない。

そんな時、ある事件がおきてしまう。

森尾の親友黒田と路は同じ大学の推薦を受けようとしていたのだが、

路の一言で黒田は推薦を受けられなくなってしまったのだ。

そのかわり路が推薦を受けられることになったのだが、

進路担当の先生が路に推薦枠をあげた見返りとして身体を要求してきたのだ。

襲われている所を別の生徒に見られ、路は身体で推薦枠を取ったと皆に言いふらされてしまう。

それは黒田の親友森尾を怒らせるのに十分な理由で、

森尾は無理やり路をレ○プしてしまうのだった。

そしてそこから路は不良グループたちからレ○プされる日々が続くようになってしまう。

 

うーん、あのね、森尾の怒る気持ちはわかるのよ、

黒田は家庭的にも苦労してきてて推薦枠をとれるのととれないのとでは全然違う。

でもそれは路に怒りをぶつけるものじゃなくて、

先生へ向けるものでしょう。もし本当に路がそんなことをしていたとしても‥。

もちろん、路はそんなことしてないし、

先生が勝手に路に好意を寄せてよからぬことを企んでいただけで、むしろ被害者なわけ。

でも頭に血が上った単細胞な森尾にはちっともそんな事考えられる余裕がないわけ。

路に怒っていい権利があるのは黒田だけだよ。

その黒田は路に対して何も思っていないしむしろ優しいの。

森尾が勝手に盛り上がっているんだよ、カッカカッカムキーと。

このあとの路の扱いは書いていても辛いだけなので割愛。

読んでいて眉間にシワがよってくるのがわかるの。

ただね、このあとこの事が死ぬほど後悔してしまうほどに

森尾は路のことを誰よりも大切に、誰よりも愛するようになってしまうんだな。

でも私は好きになったからってちゃらにできちゃうほど

森尾を許せるというか、いい人っては思えないんだなー。

森尾は路を好きで好きで好きすぎているところがあるのに

突然路を傷つけるようなことを言ってしまう。

それに路を強引に抱いた時も、

翌日もし路が命を断っても何とも思わなかっただろうだなんて、

非情さを併せ持ってて、こういうタイプは怖い。

感情の振り切り方が極端で、仲良しにはとことん情が厚いけれど

そうじゃない人はもうどうでもいい、死んでも知らねーっていう

そういう感情がとても怖い。

 

後半は路を好きになった森尾の贖罪ストーリーになっているけど、

どんな森尾だとしてもきっと路は許しちゃうし何度でも好きになったとは思う。

どんな人だって過ちを悔いたりやり直す事は必要。

でもされた側は本当に一生消えない傷が付く。

だからそれらに目を背けず贖罪する気持ちでいた森尾にはとても好感が持てるとは思う。

まあ出来ればこういう人は本当に手に入れたい大事にしたい人を、

一生手に入れられないか奪われるかされた方がいいんだろうけど、

立ち直るきっかけは必要かも。

それよりも臼井が気になる。彼も過去の呪縛から救って欲しい。

この臼井の件も、本当に森尾はクズ以外の何者でもない。

 

路は強くなる一方でどこか痴/漢は痴/漢に逢う方も悪いって言ってるみたいで

同調できない部分もある。

言わんとしてる事はわかるし、もともとの対人関係もあるけれど、

だからってレ○プされても仕方ない事ではない。

だけどいじめに決して屈しなかった強さ、学校側の理不尽さに負けなかった強さはあったと思う。

まあそこはただただ森尾が好きって言う気持ちだけが頼りだったんだけど。

だからこそ勝ち取った明るい未来だ。

 

以前他の樋口作品のレビューでも書いたけど、樋口さんの愛は

愛は許し続けること

これがテーマになっているのかなってとても感じます。

この作品はデビュー前に書いた作品ってこともあって

愛はね、 」「ぼうや、もっと鏡みて」に

通じるものがあるな〜って感じました。

 

社会人になってからは皆が精神的にも大人になり、

やんちゃ盛りも過ぎて、

落ち着いた大人の関係を構築し始めて、

路の親友は驚いたことに高校時代イジメをしていた奴だったり。

だけど、それもまた時間の経過で素直に互いを許せることになり。

もちろん、これっていじめた側がちゃんとイジメを認識してて

心の隅で悪い事したなっていう後悔があったからきちんとした関係が築けたんだろうけど。

社会人になってもやっぱりまだ路には触れられない森尾。

彼の懺悔の道のりはまだ遠いけど、路の方がじれているのがよくわかる!w

やっと遠回りして二人は心も身体も結ばれるんで、

これからはきっと幸せに過ごせるんじゃないかな。

 

でもでもでも、最後に言わせて、

なんて路、黒田に惚れない?黒田の方が断然いい男だよ!!

 

H度ドキドキドキドキドキドキドキドキ

ストーリー度満月満月満月満月

 

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