たとえ「番」じゃなくても

君に必ず恋をする

 

オメガバースは好きな作品と

苦手なものに結構分かれるんだけど、

これは新しい切り口で面白かった!

出尽くした感があるオメガバースも

こういうストーリー展開になると

まったく違うな!ってことで

オメガバースが苦手って方にも、

ちょっと飽きてきちゃったわって方にも、

これは是非読んでいただきたいと思いました!!

オメガバースとパラレルトリップ。

この二つの要素が絶妙にいい絡み具合でした!

 

安西 リカ著「運命の向こう側」

運命の向こう側 (ショコラ文庫) 運命の向こう側 (ショコラ文庫)
745円 Amazon

偏見の対象であるΩでありながらも持ち前の明るい性格で前向きに生きてきた春間。期待を胸に高校の入学式に出席すると、思いがけず運命の番である冬至と出会う。それから11年、αであるが故に傲慢なところはあるが愛情を出し惜しみしない冬至と幸せな日々を過ごしていた。だが、子どもを産んでほしいと熱望する冬至とは対照的に春間はなかなか決心がつかない。そんなある日2人はバース性が存在しない別世界にきてしまい―!?

 

オメガバースって男性出産ものでもあり、

そうなっちゃうと男女でもいいんじゃないかって思えなくもない。

実際に私の友人なんかは、男性だからこそのものを読みたいので

絶対こういうのは嫌って言っていたし。

その気持ちもとってもよくわかるし、

男性を女性におきかえて成り立つようなものも

BLである意味あんの?って感じてしまうよね。

でも私は男性出産ものっていうのは、女性ではなく男性が産むからこその

そこからの苦悩やら葛藤やら、

揺れ動く感情があってもいいのかなって。

男女のカップルならおめでとう〜って手放しで喜べるところが

そうではない、みたいなね。

まさに今回の安西作品はそういう手放しで喜べない感情、

揺れ動く気持ちが実によく表現できていました!

 

好き合ってるし、家族になりたいし、子供だっていたっていんだろうけど、

じゃあ自分のやりたいことは?そういうのすべて自分は諦めなきゃいけないの?

っていう葛藤ね。

 

そうこうしているうちにそういうしがらみのない、

オメガバースの世界ではないパラレルワールドにトリップしてしまうのだ!

バース性のある世界では番は何よりも強固な結びつき。

匂いで互いにわかってしまう。

でもそれにより弊害もあるわけで。

たとえば発情期。

発情期がきてしまうとたいへんなことになってしまうので、

抑制剤を服用したり、病院で検査を受けたり、

いろいろと制約ができちゃうのよね。

だから仕事してても休みをそういうことでとらなきゃいけなくなって。。。

仕事にやりがいを見いだしていたらそれは結構辛いことなのだ。

恋人のアルファの冬至は春間とのあいだに子供を希望しているのだが、

春間はとっても悩んでしまっている。

 

じゃあそういうものがない世界に行ったらどうなるのか?

憧れていた世界でもあると同時に不安にもなるんだよね。

互いの気持ちが匂いでわからない、本当の彼の気持ちは?

番は互いに匂いで分かる部分がある。

だから絆もより一層強くなるし、自分以外を愛すことはないだろうって

思えるところもあるんだよ。

でもバース性のない世界では

仕事では自分の望むように出来て満足することもいっぱいあるのに

愛する人の気持ちがわからなくなってしまうのだ!

 

彼は本当の事を言ってくれているのだろうか?

それは本心なのだろうか?

今はそうかもしれないけど、将来心変わりするかもしれない‥

 

そういう揺れ動く気持ちが実によい!

これは新しい発想と試みでとっても良い作品でした!

もちろん主人公たちのキャラも良かったけれど、

脇キャラも魅力的でスピンを読んでみたくなりました。

オメガであることを公表している男性モデルの風花カポーとか

あと、逆に普通の世界からオメガ性のある世界にトリップしたと思われる

普通の世界の冬至と春間カポーがどうしていたのか、とか

ここらへんもとっても気になるなー!!

 

H度ドキドキドキドキドキドキドキドキ

ストーリー度満月満月満月満月半月

 

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