僕は人の心を読んで

物語を書いているんだよ。

 

 

草間さんの新刊です!

結構レビューで目についたのが

難しい!って事でした!

確かに一読しただけでは「ん?」と

思うことも多く、

どういうことなんだろう?と

2回目を読みたくなるんですよね。

そして2回目を読むと「あーなるほど!」と思うわけですよ。

ひょっとして意図してそうなっているのでしょうかw

そうだとしたら凄いんだけど、

凄いと言えば1回目で読んだ時に「わかんないから、いいや」ってならないところなのよ。

やっぱりそこはわかりずらかったなりに面白さがあって、

どうにかわかりたいと思う気持ちがあるからなのよね。

 

草間 さかえ著コミック「ワンダーフォーゲル」

ワンダーフォーゲル (CHARAコミックス) ワンダーフォーゲル (CHARAコミックス)
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「僕は君の頭の中の物語だって、小説にすることができるよ?」放浪先の沖縄で野宿を続けていた沖津。台風で身を寄せたのは、小説家・伊武の家だ。本人曰く「他人の心の中が読める」という伊武は、過去のトラウマから閉所恐怖症の沖津に、初対面から興味を示してきて…!? 妄想狂か、嘘つきか。不思議な力を持つ男と過ごす、鮮烈な嵐の一夜──!!

 

ワンダーフォーゲルといっても

山男たちのお話ではありませんよww

それはそれでBLらしいけれどもw

草間さんの兄限定特典のSSに書かれてましたl

意訳では「野外活動しよう!主義」。

直訳では渡り鳥っていう意味があるらしい。

今回はまさに渡り鳥的な沖津が野外活動しておりますって感じで

ワンダーフォーゲルなのでしょうw

 

一応2作品収録されているけれど、

繋がった話なので、どちらも互いに必要不可欠な作品になってます。

 

「みえない友達」

大学生同士の話。サークル仲間で知りあった沖津と平坂。

ちょっとしたことから平坂が子供の頃に体験した不思議な話をしはじめた。

小学生の頃、平坂が公園で知りあった初めて見る子供と一緒に遊んだ話だった。

可愛い顔に似あわずキャッチボールの上手なその子はゆうとと言った。

だけど、ある日、その子が公園に現れなくなり不安になった平坂は

その子を探していたら見知らぬ老人がゆうとを連れ去ろうとしているところだった。

抵抗するゆうとと平坂だったが、老人はゆうとを連れて車で去っていってしまった。

その話を親にする平坂だったが、誘拐事件など起きておらず、

ゆうとという少年も見つけることが出来なかった。

周りの大人たちは平坂が遊んでいたゆうとという少年は

イマナリーフレンド(空想上の友人)ではなかったのか?と言い始めた。

平坂はその後カウンセリングに通うようになるのだが、

そのカウンセラーがゆうとを誘拐した人物だった・・・。

 

ま、こうやって書くと何やら事件めいたお話のように感じるけれど、

誘拐とかなんとかは事情の知らない平坂の勘違いではあったのよね。

でも、子供からしたらとっても理不尽でとっても傷ついた一つの事件ではあったと思う。

じゃなかったら平坂がそのあと引きこもりになったりはしないかと。

だけど、平坂はずっとゆうとのことが忘れられずゆうとを探していたのよね。

その根性はすごいと思うわ。

で、グループカウンセリングの時に知りあった「沖津」という人物から

ゆうとと会わせてやるから大学を受けろと言われるのよね。

このあたりから話は「ん?」とかどうなってるの?というはてなマークマークがたくさんついてきちゃう。

 

だから2度3度読み直さないとわからないところもあるんだよねー。

というか、ああ、そうかと思うのが話の最後の方だったりもするので。

 

大学のサークルで知りあった沖津が平坂がずっと探していたゆうと。

そしてカウンセリングで知りあった沖津はゆうとに名前を貸していたのだ。

なぜならゆうとがずっと父親から隠れて生活をしていたので。←その父親とのことがずっと引っかかっていて何度読んでもよくわからない。

一番の罪はゆうとをさらった(ように見えた)カウンセラー。

実は彼はゆうとの実の祖父。娘がゆうとの母親になるんだけど、

ゆうとの父親が妻が亡くなったあと息子であるゆうとに執着しているから

ゆうとを隠すようにして、部屋から出さないようにしていた・・・

でも父親は結局死んでいて・・・

この父親の死の真相やなんで確執が祖父と父の間で起きていたのかなど

祖父が死んでしまった今となっては、真相はもう誰もわからない。

結局引きこもりを二人も作ってしまった祖父は

カウンセラーとしてどうなのよ。。。と感じてしまうし。

 

「ワンダーフォーゲル」

こっちはゆうとに名前をかしていたという

本物の沖津の話。

彼が平坂と知りあったのはグループカウンセリングだけど、

沖津は極度の閉所恐怖症でその症状が悪化し、

どこでも眠れずにいたためカウンセラーのゆうとの祖父が預かっていたのよね。

そこでゆうととは兄弟のように生活していたの。

沖津は夏になると沖縄へ行って野宿しながらバイト生活していた。

沖津がそこで知りあったのが作家の伊武。

ある日伊武の家へお酒を届けに行ったらそのまま間借りすることに。

なぜならこのあと沖縄には台風がくるので

野宿する沖津のことを心配したバイト先の店長が伊武に頼んだのだ。

閉所恐怖症の沖津だけど、伊武の家は広々としており天井も高く、

沖津は問題なく過ごすことが出来たのだけど、

伊武はどこか不思議なところがある人なのよね。

言わなくても彼にはなんとなく通じている・・・

しかも、彼は人の頭の中に浮かんだものを書いているのだと言う。

にわかには信じがたい伊武の話だけれど、

徐々に伊武のことを意識しはじめた沖津で‥‥。

 

伊武の能力については本当なのかどうなのか、

はたまた人より洞察力が優れ勘がいいだけの人なのか、

そこはハッキリとは描かれておりません。

もしかしたら伊武本人にもわかっていないのかも知れない。

沖津が「あんたの書いた本はあんたの頭の中から出た話だ」っていうのが

伊武にとっては一番しびれる告白だよな〜。

前述のゆうとのことでも

ハッキリ描かないでおくことで

より話に引き込ませるということは上手いなと思うんだけど、

何でも知りたがってしまう私としては

やっぱりもやっとしちゃうところではあるw

 

私なりの考察ですが・・

「みえない友達」で平坂がゆうとと小さい頃にキスした話をしていた。

でも、そのことは現在のゆうとは覚えていない。

ところが平坂は実はキスというのは違っていてフ○ラをされたのだと言う。
小さい頃だしその行為がどんな意味を持つのかも当時の平坂はわからなかった。
ゆうとは祖父から催眠療法で記憶を消されている部分もある。
祖父曰くゆうとから消した方がいい記憶があるらしい。
そして祖父はゆうとに執着する父からゆうとを隠していた。
だけど、ゆうとは虐待されていたりされていた形跡はまったくなく、
むしろ父親のことが好きっぽかった。
妻を亡くしたことでゆうとに執着していた父。
こうやって書くとなんとなく浮かんでこないだろうか。
ゆうとは父親からもしかして妻の代わりにされていたのじゃないだろうか‥とか。。
だからそんな小学生の低学年でフ○ラなんて真似が出来たのじゃないだろうか・・・。とか。
父の死もわからないことが多すぎて(あの廃屋から出てきたのは父親の死体なのだろうか?)
真実は闇の中だけど、とにかく久しぶりに頭をフル回転させて読んだBLなのでしたw

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