やるよ。くれてやる。

こんな男でいいなら、全部お前に‥‥

 

 

英田サキ先生の短編集です。

珍しいですよね、英田さんの短編集は。

雑誌で書かれていたものをまとめた本です。

私は最初の「兄貴とヤス」だけ読んだことがあったかな。

893モノ、リーマン、叔父と甥の3作品収録されています。

最後には「兄貴とヤス」の書き下ろしが収録。

 

私はどれもそれぞれに楽しめた感じだったかな。

 

英田 サキ著「愛溺」

愛溺 (ビーボーイスラッシュノベルズ)愛溺 (ビーボーイスラッシュノベルズ)
994円 Amazon
したたる情慾を蒐集した英田サキ珠玉の短編集―。兄貴との最後の夜に挑発され―。絶対服従と決めた兄貴の体に想いの丈をぶつける機会を得たヤスは、求められるまま彼のいやらしい孔にぶち込み、今夜だけは、自分の女にできたことに悦びを見出すが…。大人気アンソロジー「エ口とじ」収録作の893もの「兄貴とヤス」をはじめ、淫/らで奔放な叔父に性の手ほどきを受ける甥の背徳の愛「潮騒の褥」他1編に、「兄貴とヤス」のその後を描いた書き下ろし作品を収録。

 


以下は私の読書メーターの感想。
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短編集。3作収録されていて、最初の話は書き下ろしありです。893と広告クリエイター、そして画家という毛色の違う3つの話で、まさにどれも「愛溺」という言葉がピッタリ。893と広告クリエイターの話はちょっと御都合主義っぽい感じの流れで終わった感がありましたが、最後の画家の話はハピエンなんだけど手放しで喜べる感じじゃないところが逆に良かったかなー。血の繋がらない叔父と甥。でも美しい叔父様は淫乱というw ああ、こういう人に溺れていくのは何となくわかるわーと感じてしまいます。

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「兄貴とヤス」

893(舎弟)×893(兄貴分)。

こういうデカイけどワンコのような攻めって好きなんだよなぁ。

チンピラに絡まれているヤスを羽鳥が助けたのが二人が出会ったきっかけ。

それ以降ヤスは羽鳥に舎弟にして欲しいとつきまとい、羽鳥は根負けしてヤスを舎弟にしたのだが・・・

ヤスは羽鳥のことを大好きっていうのがダダ漏れなんですね。

誰にでもわかっちゃうw

だからこそ羽鳥は今度のヤマをヤスに知られるわけにはいかなかったのだ。

自分が鉄砲玉となることを・・。

ということで、最後の夜を羽鳥はヤスにあげることにしたんだけど、

羽鳥ももう十分にヤスのことを思っていることが伝わってくるんだよね。

短い話だったので、仕方ないのかな、と思う部分も多々あるけど、

ラストはやっぱりご都合的になってしまいました。

でもヤスの忠実っぷりは好きw

 

「一度だけでも」

クリエイティブ・ディレクター×コピーライター。

先輩後輩という間柄。しかも先輩であるクリエイティブディレクターの真瀬は既婚者。

唯川は真瀬に憧れてこの業界に入ってきたようなものだけれど、

二人とも酔った勢いでベッドを共にしてしまったのだ。

酔って何も覚えていないと真瀬は言うけれど・・・。

唯川のような素直で可愛い後輩に慕われたら、真瀬も間違いを犯してしまうのもわかるけれどね。

やっぱり既婚者という立場がね‥‥。

もちろん、泥沼展開にはならないのがBLだけど(短編だし)、

ラストはやっぱり「兄貴とヤス」同様御都合主義になってしまったかな。

今後の展開、わかっちゃうもんね。

しかも当て馬?と思っていた真瀬の親友という堀之内も、

唯川の元彼の大沢もあまりかき回す感じではなかったよね。

誤解を産むちょうどいいキャスティングという立場だったけれど。

 

「潮騒の褥」

甥×叔父。

上記二作がちょいとご都合的な展開が否めなかった分、

この作品は良かった!と思えたかな。

淫乱な美しい叔父、という設定もいいじゃないですか。

しかも新進気鋭の画家という、あまり普段から何を考えているかわからない、

ミステリアスな雰囲気が職業からも伝わってくる。

年下の甥っ子にしてみたら、美しいミステリアスな叔父に惹かれるというのは十分にあり得るかもねー。

しかも血が繋がってないとなると余計に・・・。

静生のようなタイプは愛人タイプよね。日陰が似合うというでもいうのか。

なんか、健全さというのが似合わないのよ、逆に。

だから健全の塊のような啓弘に惹かれちゃったのかな。

月が太陽に焦がれるが如く・・・という感じ。

自分がなりたかった子供だと静生も啓弘のことを言っていたし。

静生の雰囲気というのは、母親の死の真相にも起因していると思われる。

そしてこれからも、啓弘のことが大好きだけど、

もしかしたら他の人ともそういう関係になっちゃうかもとも言う。

すごく寂しがり屋の静生なのよね。

だから、自分の前で他の人と寝さえしなければと啓弘も言っちゃうだな。

歪んだ関係だとも思えるけれど、二人の中では最上の関係でもある。

1冊これでもよかったかなとも思ったけれど、これくらいの長さが

ちょうどいいのかなぁ。あまり重くなるときつくなるしね。

 

「ヤスと兄貴」

「兄貴とヤス」の書き下ろし。

ギリギリのところで命拾いした羽鳥。

羽鳥が堅気になる決意をして、当然ヤスもそれについていく・・。

ワンコのようなヤスがいいですね!

イ○マされてバナナで練習!というヤスに笑みがこぼれてしまうわーw

 

全体的には楽しく読めました。

タイプも様々なので、それもまた◎。

個人的にはやっぱり英田さんは警察や893モノだと

セリフまわしが上手いよねって感じてしまうww

 

H度ドキドキドキドキドキドキ

ストーリー度満月満月満月やや欠け月



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