愛さないことが、愛ーーー


2ヶ月連続刊行された樋口さんの新刊です!
-檻の中の王-の先で
その翌月に-群れを出た小鳥-が発売されました。
今回は2冊同時にレビューいたします。

パブリックスクールとかギムナジウムとか
何だかドキドキワクワクしちゃう言葉よね!!ww
BLでもパブリックスクールを舞台にした作品をいろいろと読んできたけど、
遠い東の国からやってきたジャパニーズがいじめられ、
それでも愛する人のために頑張る健気っ子が多かったですかね~。
この作品もまたそんな子だったりしますが・・・

なんだろー?
なんだろー?
なぜか私もやもや感が払拭できずにおります。
すごーく評判のいい作品なのですが、
樋口さんも大好きな作家さんなのですが、
私的にはこうがーっと引き込まれたり、
涙したりできなかったの・・・。なんでかなー。


樋口 美沙緒著「パブリックスクール -檻の中の王-」 「-群れを出た小鳥-」

パブリックスクール: -檻の中の王- (キャラ文庫)/樋口 美沙緒
¥691 Amazon.co.jp
唯一の肉親だった母を亡くし、天涯孤独になった礼を引き取ったのは、父の実家のグラームズ家。なんとイギリスの名門貴族で、礼は全寮制パブリックスクールに通うことに。けれど、そこには寮代表で監督生の義兄・エドワードが学園に君臨していた! 引き取られたばかりの幼い頃は可愛がってくれていたエドは、礼が入学した途端、なぜか冷たい。「俺が卒業したら、おまえは日本に帰れ」と言い放ち!?

パブリックスクール: -群れを出た小鳥- (キャラ文庫)/樋口 美沙緒
¥702 Amazon.co.jp
ハーフタームの休暇中、無人の校内で昼夜を問わずエドに抱かれる礼。これは言い付けを破った罰だ──。わかっていても、エドを独占できる喜びと快楽に溺れる日々…。ところが、休暇が明けると、たおやかな美貌の編入生・ジョナスが復学!! エドの恋人らしいとの噂に、礼は不安と嫉妬に駆られ!?閉鎖された檻の中──一瞬の煌めきが彩る少年時代に、生涯ただひとつの恋に堕ちる、奇跡の純愛!!


母子家庭で育った礼。
その唯一の肉親であった母親が亡くなり、
突然現れたイギリスの名門貴族に引き取られる事になった礼だった。
しかしそこで出会ったのは美しいけれど礼のことを「生け贄」と呼ぶエドワードがいた。
実は礼の父親はエドワードの祖父であり、彼とは叔父甥の関係にあたる。
父が貴族であったこともしらなかった礼にとっては、ただただ家族ができると思って
イギリスに渡ってきたのだったが、
エドの父・・・礼の腹違いの兄やその妻からは愛情を感じられず、
礼の顔をみれば酷いことしか言わないエドと
また屋敷にいる執事などもみな礼に必要以上には関わらない。
冷えきった雰囲気の屋敷のなかで寂しさを感じる礼だったが、
エドが実は冷たさの奥底に優しさがある人だとわかってからは、
礼はエドがパブリックスクールから帰ってくるのを楽しみにするように。
しかし、礼がエドと同じパブリックスクールに編入することをエドは拒み、
同じスクールにくれば俺を裏切ったことになる、と礼に言い放つ。
しかし礼はエドの従兄弟ギルから、同じスクールに来ないとエドは一族の当主にはなれないと言われ、
迷いながらも結局はリーストンスクールへ行く事を決意するのだ。
案の定、エドからは裏切り者と誹られ、今後は誰とも親しくすることなく学校の行事にも参加せず、
ひっそりとスクールにいろ、と言われてしまうのだ。
その言いつけを守りエドを愛し続ける礼だったが、
あることがきっかけで、エドに抱かれる日々を過ごす事に・・・。


「檻の中の王」は丸ごと一冊パブリックスクールでの話です。
「群れを出た小鳥」はパブリックスクールを卒業後、
それぞれの成長も書かれています。

そういえば私、以前樋口さんの作品である
愛はね、 」と「ぼうや、もっと鏡みて 」で
同じようにもやっとしたって書いていたんだったww
「愛はね、」は「許し続けるのが愛」だとしたら、
今回は礼サイドからは「誰かに愛されたかったら自分から愛す」ということで、
エドサイドからみたら「愛さないこともまた愛」という、
単純な私にしてみたら、
皆めんどくさく考えているのねー!って思っちゃうww
好きなら好きでいいんだよ!!ってww

なんで私、この作品にのめり込めなかったのかなー?
エドが冷たくしていたわけっていうのも
いつかは礼と離れなきゃいけない、そばにいたら愛しちゃうから・・・って言うんで
冷たくしていたのよね。
だからもっと力をつけてから・・・って思っていたようだけど。
エドが一族から監視されていたのもジョナスという親友のため。
彼の二の舞に礼をしたくなかったのよ。
エドが一見冷たくしているようでいて、本当は愛情深い人なのだということはわかるんだけど、
私はジョナスの従兄弟というオーランドの方がいい男のように感じてしまったの。

もちろん、エドは貴族で一族のしがらみとかいろんなことがあるし、
それに対してオーランドはお貴族様ではない。
背負っているものが違うのかもしれないが、
エドは一族を嫌い、両親を憎んでいても、
貴族であることはやめられない。
そこはプライドなのだろう。

でも、青い血がそんなに偉いのかしら。
青い血って尊い血というよりも
エイリアンじゃん!!!まあ、彼らの斜め上感覚はエイリアンなのかもですがね。
いやいや私は赤い血で十分でございます。
人間でいたいので・・・って答えたくなるわーw
ここで私が貴族の何たるかを書いていても庶民の負け惜しみの遠吠えにしか思えないのですが、
オーランドは赤い血が通っているので、
彼の自由な心と精神がとても清々しく思えてならなかった。
そう書くと、かえって自由に生きられなかったエドが可哀想に思えるけどね。
いつかは、興味のない女と結婚し、一族のためにそれこそ子孫を残していかなくてはならないし。

なんだかんだとエドだってまだティーンエイジャーで
親の庇護のもとにいるわけだからね。仕方ないのかもしれないが・・・

自分で書いててもやっぱりなんで私のめり込めなかったのか、もやもやしているのか
わからないわーーー。

エドにも礼にも感情移入できなかったのが一番の原因かもしれない。

そしてオーランドがエドよりも好きだったというのが後押ししているのかもしれない。

おまけに2冊目に出てきたエドの恋人と噂されたジョナスとのエピソードが
なんか私にはしっくりこなかったからかも知れない。

こんだけ理由があれば十分か?

パブリックスクールというタイトルに反して、
私は卒業後の話の方が好きでした!
礼が自分の居場所を見つけて
楽に呼吸をしているからなのかな。
それに礼もジョナスもオーランドも
ずっと意地悪していたギルでさえそれぞれの成長が見られて
楽しかったのかも知れません。
エドももちろん登場して最終的には礼とくっついたけど、
エドだけは成長したのかしてないのかわかりませんでした。←酷い私

ああ、今なんとなく腑に落ちた。
私はエドに
あのパブリックスクール時代に
俺は一族のトップに立って必ずお前を迎えに行く!
という言葉を言って欲しかったんだと。


私がしっくりこなかっただけで
かなり評判がいいので、
大好きな作品だという方が多いかと思います(;´▽`A``
まあ、私のような少数派の意見もあるんだな~ということで。


H度ドキドキドキドキドキドキ(パブリックスクール時代のHはもっと背徳感満載でも良かったかもね)
ストーリー度満月満月満月やや欠け月



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