こんなBL見たことない!
鬼才の新人、笑撃デビュー!!



な、なんだろ?なんだろ?
劇画チックな絵柄に笑撃とはなんぞや?
SHOOWAさんとか井上佐藤さんとか、はたまた羽生山へび子さんとか…
そのあたりの作家さんを何だか思ってしまって(ペンネームもほら、そのあたりの作家さんを彷彿とさせるじゃない?)
これは買うべき!?と、ついつい衝動買いしたものなのです~。

短編集で、しかも全てカラーの違う作品たちでした!
笑撃というので、ギャグメイン?と思ったら、確かにギャグがベースのものもあったけど、
どちらかというと、シリアスチックな感じかなー?
でも重くなり過ぎず、その辺の配分は上手いと思いますね。


朝田 ねむい著コミック「兄の忠告」
兄の忠告 (Canna Comics)/プランタン出版
¥690 Amazon.co.jp
——こんなBL見たことない!鬼才の新人、笑撃のデビュー!!唯一の肉親である兄が音信不通になって約10年。身寄りのないツヅキの生活は荒れ、悪友達とその日暮らしをするようになっていた。だが、そんなツヅキの前に兄・ハジメが突如姿を現し——!?Canna作家陣から熱烈な支持を受けた鬼才の新人、笑撃のデビュー作!



5作品収録。表題作のみ描き下ろし2本入ってます。
正直、これはBL?と思うものもあったけど、
話的にはバラエティに富んでいて良かったかと。


「兄の忠告」
美人局なことをして仲間とお金を稼いでいたツヅキ。
そんなツヅキの前に現れたのが、10年前に姿を消した兄のハジメだった。
父親が死に生活が苦しくなったところで兄は家を出てしまい、それこそ母と苦労してきたツヅキ。
その母も亡くなりいきなり現れた兄に対して反抗心丸出しのツヅキだった。
ハジメはツヅキに真っ当に生活して欲しいと言うのだが……。

ハジメは一筋縄ではいかない奴だろうなぁ、と匂わせてはいたので、
正体を知ってもあまり驚くことはない。
むしろやっぱりね!って感じかな?でも弟を想う兄の気持ちは伝わる感じかな。
これだけでは本当に兄の忠告はちゃんと聞けよ!で終わっちゃうんだけど、
描き下ろしの「兄の告白」でBL臭がしてきまっせ!
もっとシリーズで丸々一冊にしたら面白くなりそうな感じなので、短編なのがもったいない。


「THE SWERVE」
リストラされた中年サラリーマンと無能でのし上がれそうそうもない中年チンピラ。
そんな二人がうららかな陽射しのなか、ノンビリとした公園のベンチで出会ってしまう。
これは運命の出会いなのか!???

これまたBLっぽくは全然ありません。青年誌とかに載ってても不思議ない感じ。
ちょっと生活に疲れたオッさん二人が夢見たものとは……。
勘違いだけで話がトントンと進んで行き、それが勘違いだと気付いた時にはとんでもないことに巻き込まれ…なんてとこは、コントのようにテンポ良く楽しかった。
オチもちょっと夢があって?いいなぁ。
でもBL?と聞かれると困っちゃうww


「毛虫」
高校生カポーのダイとショウは絶賛ラブラブ中。
粗忽でおバカなダイに対し、お坊ちゃま校で可愛く真面目なショウは全く正反対なタイプ。
でもお互い大好き同士。
しかし、二人はあることから魔女?に呪いをかけられてしまうのだ。
以来ダイにだけはショウの姿が全身毛むくじゃらの毛虫に見えるように…。
呪いを解くにはただ一つ、真実の愛を見つけることだけ!果たして呪いは解けるのか?

これが一番好きでしたーーー!!!
ダイのような愛すべきおバカキャラは大好きなんですよね。
物事を深く考えるのが苦手なので、考えはいたってシンプル!でもだからこそ好きなもんは好きなんだー!って思い切りも良い。
ショウのような頭の良い優等生には真似出来ないシンプル思考がかえって彼を救うのよね!
ショウも単なるかわいこちゃんタイプではなく、大方の期待を裏切り体臭と毛深さで悩みを持つという……www
このミスマッチにも笑ったけれど、でもそうやって本当のショウを知っても好きでいられることができるのか?という、
ダイへの試練というか、試されているわけですよね。
ショウが辛いから別れようと言うのもとてもわかるの。
ダイの事がとても好きだからダイが思っている自分のままでいたい、それには別れるしかないというのもわかるのよね。
あー、この話も二人の馴れ初めから読みたいわ!
3話くらいの構成ならばもしかして泣けた要素とかもあるんじゃないかしら?なんて勝手に思ったりw


「Life in the Park」
市の社会福祉課に勤める桃木は最近鬼ヶ島公園に大勢のホームレスが占拠しているとの苦情を受け、調査することに。
そこで鬼島という酒屋の青年に殴られてしまう。
ホームレスを守ろうとする鬼島と公園は公共の場所のため解散を求める桃木との対立は深まるばかり。

これはBLというより社会風刺漫画って感じでした!BLな要素はなかったかなww
でもきっとこの二人もそのうち…ってなるんでしょうかね。
桃太郎にちなんだ名前は良かったわ。桃木支持派の役人たちの名前も猿雉犬だしw


「波の音がきこえる」
エ口グロスプラッターな小説を書く作家の話。恋をし振られる度にその呪いと憎しみで描写に磨きがかかる!
しかし、恋をしている間はてんでダメなのだ。その描写がなりを潜め文章が全てピンク色になってしまう。
そこで、担当編集が考えたのが先生が振られてしまえばいいってことだった!←酷いよねww
そこで目をつけたのがカフェでバイトをしているミツルだった。
絶対彼に振られるだろうとミツルと先生を二人にしてみたら……な、なんとミツルが先生との交際をOKしてしまい…!!!

笑えると言えばこれが一番笑えた作品なのだろうか?
先生の浮かれおバカっぷりはちょっと可愛いですねー。
最後は幸せラブラブで終わって欲しかったのでちょっと残念でもありましたが。
それにしてもこの人の書くエ口グロスプラッター小説を読んでみたいものだわw←本当かよ?



作家さん本人も書かれていましたが、一時BLとはなんぞや?と悩んでいた時期もあったようで、
確かに悩んで描いているなぁ、と感じるものもあったかな。
でも恐らくは長編とかを描くとより面白く描ける作家さんなのでは?と期待をしたくなる作家さんでもあります!
何よりも引き出しが多そうなのと、個性的なストーリーを描ける感じがするかな。
次回はガッツリBLってのを読んでみたいですね。


H度ドキドキ
ストーリー度満月満月満月やや欠け月




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