約束どおり、迎えに来てやったぞ。
‥‥お前を私の伴侶とする。
お前は私の里人だ。私を裏切った、最後の‥‥





樋口美沙緒さんの新刊ですー!!
タイトルからわかるとおり人外モノ。
ケモミミと尻尾がもちろんありますとも!

最近、この手のお話が多い感じがするのは
やっぱり需要があるからなんでしょうね~。
相手が狗神であったり天狗であったり様々ではあるけど。

和風ファンタジーはいいですねー。
着物がまた色っぽい(脇キャラの)。
そして御側付きの子供がいるのもまたこの手の話には
よくあるんだけど、
もちろんこの作品にもチビッコちゃんは出てきます!
めっちゃくちゃかわいくって私、主人公カポーそっちのけで
この子に萌え萌えしてしまいましたよwww(別に危ない人ではありません)

人を憎みそれでも人を助けずにはいられない忘れ去られていく神と
その神に子供の頃に助けられ20歳になったら伴侶にすると言われていた青年。
最初は啀み合っていた二人なんだけど・・・


樋口 美沙緒著「狗神の花嫁」
狗神の花嫁【キャラ文庫】/樋口美沙緒
¥580
Amazon.co.jp

「命を助けてやる代わり、20歳になったら迎えに行く」──雪山で遭難した10歳の比呂にそう告げたのは、山を治める九尾の狼。絶対夢だと思っていたのに、10年後、現れた狗神は比呂を強引に拉致!! 神気が弱まり、人間の精気を喰って力を保つ狗神に、「貴様ごとき好きで伴侶にすると思うな」と無理やり抱かれてしまい!? 昼は美しい銀狼、夜は傲慢な捕食者の男に変貌する神との、恋の御伽草子



小さい頃、入ってはいけないと言われていた森に迷い込み
助けに来た父を失ってしまった比呂。
間一髪で助かった比呂は実はその時に山神である狼と契約を交していたのだ。
助けてやるかわりに20歳になったら伴侶になれ・・・と。

その20歳がもう目の前。
でも父を亡くしたあと比呂を一人手で育ててくれた祖母のことが心配で
この山奥の家を出ることなく比呂は家計を助けるためにバイト生活をしていた。
祖母はこの里の最後の住人。
村の者は皆この村を出ていってしまった。
そしてこの村も再開発地域となりレジャー施設などが立ち並ぶ予定となっている。
祖母がずっと崇めてきたこの地域の守り神狗神も神社も
今はもう人々の記憶から追いやられ、手を合わせるものは祖母しかいない。
しかしその祖母が比呂の20歳の誕生日に倒れてしまった!
外は雪深く、救急車もなかなか来れない。
比呂はいてもたってもいられなくなりいつも祖母がお参りをしている狗神に思わず願ってしまうのだけれど・・
そこに現れたのが9つの尾を持つ狼だった。

そして約束どおりお前を迎えに来たーーーーー、と
比呂をさらっていくのだが・・・



比呂はとっても正義感が強くてそこはいいんだけど、
正義感もいきすぎちゃうとちょっとイタイ人になったりすることも・・・
もちろん、いきなり(まあ、小さい頃に一方的に迎えに行くとは言われていたけど)
狗神のところに連れて来られた比呂は
祖母がその後どうなったのか気になって仕方ない。
だから祖母のところに帰してくれ、と懇願してもそれを無視する狗神に腹を立ててしまうのも無理からぬ事。
狗神は狗神でそんなに帰りたいのなら私の真名を言い当てることだ!と言う。
そして無理矢理抱かれた比呂へ言い放つ。

これでお前は私の伴侶だ。逃げることはかなわない。
帰りたくば真名を思い出せ。私のやったものを返せ。人間どもが私から奪ったものを・・・


こんな始まりだったので伴侶となったとはいえ二人の溝はとっても深い。
それでも狗神に仕える狼たちは一生懸命比呂をもてなしてくれる。
まずは藤。
これは狗神の秘書的立場とでもいうのだろうか。
和風クールビューティ!!
優しげな笑みを浮かべてはいるが怒らせたら絶対怖いタイプww
そして比呂の世話を仰せつかったのがまだちっちゃな子狼の茜。

この子がとっても可愛いのです~~(≧▽≦)ラブラブ

藤は完全に人と同じ姿だけど、茜はまだ子供だから耳と尻尾が隠せない。
比呂に耳と尻尾を指摘された茜は耳を手で隠し尻尾もくるんと股の間に丸め、

「ごめんなさい。茜はみじゅくなので、まだ、消せないの。こわいですか?」

んもうーーー!!こんなかわゆい子が怖いわけないじゃないのーーー!!!
怖いどころかぎゅっぎゅっぎゅーーーーっとしたいくらいだわ!!


比呂もそんな心の内だけどww でも今はそこでほだされるわけにはいかない!と心を鬼にww
茜の純真さを使ってここを出る手立はないかと探ってみたり・・・
だけどもちろん、出ていけるわけがなく、日々は無為に過ぎていく。


比呂も結構狗神に好き勝手放題に言っちゃったりするので
そんなヒドイこと言わなくてもいいんじゃない?って途中思ってしまったりする。
だけど、徐々にこの狗神の置かれている立場というか
悲しさ、淋しさを知るにつれて哀れみを覚えてもいくんだよね。

昔は誰もが狗神を奉ってくれていた。でも現代であるこの時代、
田舎を離れ、土地から人間が姿を消し、いつしか狗神を奉ることも祈りを捧げることもなく
狗神が守ってきた里人は今では開発という名のもとに
狗神の半身とも言える山を切り崩し、森を伐採し、社さえも取り壊そうとしている。
そしてそのせいで狗神は力を保てず自分の真名も忘れてしまい傷ついたままなのだ。

そんな狗神の傷ついた心を知って徐々に心を開く比呂だけど
祖母の死を知り、また狗神との確執がぶり返してしまうのだ。

だけど、そこで知るのよね。
神もまた心ある者なのだということに。
狗神も藤も茜も・・・
神は皆、不安があったり心配事があるとそれが心の傷となり
表面に現れているんですよ。
真っ赤に染まった胸・・・
それは傷ついた心が流した涙でもあるのだ。
そんな彼らの純真さに比呂は自分の愚かさを後悔する。

この神様たちの心に傷を負ったら真っ赤に染まるっていうのが
すごくキュン!としてしまったのよ~。
普段クールな藤でさえも比呂のことが心配でその胸が真っ赤に。。。
もちろん茜も。

それを見て何も思わない人はいないよね!!!

狗神と本当に心を開いて接することができると思った矢先にとある事件が起きてしまい・・・

反発しあっていた狗神と比呂だけど、
その心の寄り添っていく過程も良かったです!
狗神の悲しみも伝わってきて中盤からは狗神に気持ちがシンクロしちゃいそうに。。
ちょっと比呂のキャラがついていけないところもあったんだけど、
それを藤や茜がカバーしてくれたってところかな。
狗神も神木に身をやつし比呂に迫る他の人物にヤキモチやいて石投げちゃうところとか
可愛かったですねーーー!!(-^□^-)
それに二人が結ばれたってこの開発が進んでいけば狗神は遠からず生きてはいけなくなってしまうので、
こちらもまた問題があったりするのだ。

八咫烏やその伴侶の鈴弥とかお騒がせキャラも出てきて
二人をいいだけかき回してくれちゃいますよ!

気になる脇キャラも多いので
是非ともスピンオフを希望ーーー!!


Hは九つの尾を持つ狗神がその尾をもちろん使っちゃいます!!
何々?最近、BLでは尻尾プレイが流行りですか!?( ´艸`)


H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月三日月

ペタしてね


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