他なんて知らなくていい。
君は僕以外、一生知らなくていい。




木原さんの書くキャラって

このキャラめっちゃ好き~~ラブラブ

っていうキャラが殆どいないんですよね。
(滅多にいないだけで好きなキャラはちゃんといますよ)
なのに話はすごく好きだったり、忘れられなかったり・・・・

BLが女性から支持されている理由の一つに
女性が憧れるような男性像がそこにいるからで
その好みの男性が等身大の女性を相手にするのではなく
「男性」を相手に選ぶことでヘタな嫉妬をしなくても済むし、
よって夢は夢のまま、憧れは憧れのまま終らせることができる。

でも木原作品はそういう「女性が憧れる男性像」を書いているわけじゃないのよね。
人間が誰しも持っている嫉妬や憎しみや憎悪などを
主人公カポーであろうと、周りのキャラであろうと前面に出してくる。
だから時に正視できないような描写があったりしちゃうのだ。

今回は受けも攻めも好きになれず脇キャラも好きになれず、
でも話にはぐいぐい惹きつけられて・・・・・
好きになれないのは「わかってしまう感情」がそこにあるからなのかな~。
プラスの感情ならいいんだけどさ、
それがマイナスの感情だから余計ね。


木原 音瀬著「B.L.T」
B.L.T (ビーボーイノベルズ)/木原 音瀬
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家から一番近いという理由だけで、書店のアルバイト面接に行った北澤眞人。そこで店長の大宮雄介と隅然にも再会する。5年前に出会い、恋になる前に終わってしまった『想い』。北澤の脳裏にあの暑い夏の日が鮮やかに蘇るが、大宮はまるで初対面のように接してくる。それが北澤の心をたまらなく切なくさせて…。 ファン待望の「B.L.T」が商業誌未収録作と、新たに書き下ろしショートを加えて、新装版で登場。



一応、お話は4つから構成されています。
出会い編、再会編、ラブ編、ラブラブ編と続いていきます。(すみません、ちょっと苦しまぎれww)

出会いは考え得る出会い方の中では
最悪に近いような出会い方。
だってまだ中坊の北澤を痴/漢しちゃったのが大宮なんだもん。

北澤は、顔はすんごく可愛いわけ。
毎朝見ていた大宮はついつい魔が差しちゃったわけで
根は気のいい人なんだな。
ところがこの北澤ってのが可愛いのは顔だけで
性格は我が儘だしこの大宮を脅してお小遣いをせびるし
いいだけ振り回すのだ。
作中でも大宮は北澤のこの性格をあまり良くない、と言っているくらいww
でもそれをカバーするに余りある可愛さって羨ましい。。。。

でもね、そんなクソガキな北澤だって何も理由なく
大宮のことを振り回しいいようにこき使っているわけじゃないの。
いや、理由があればいいわけじゃないけど、それに大宮だってなんだかんだと痴/漢しちゃったわけだし。
北澤の家庭は崩壊寸前で離婚秒読み段階。
そして聞いちゃうのよね。両親が自分の親権のことで揉めているのを。
親権を取りあっているのではなく、その逆。
二人ともいらない、と押し付けあっているわけだ。

だから北澤は自分のことを好きだという大宮に
自分の存在意義を感じてしまう。

大宮はこんなに振り回されながらも真剣にこの中学生の北澤の恋人になりたい!って
思っちゃうんですよ。
大宮はちゃんとした社会人でそれなりに仕事もできる人のようだけど、
この北澤の我が儘攻撃についには職も失ってしまうのだ。
でもそれでも北澤が傍にいてくれたらいい、と思っていたのに、
結局大宮は恋も仕事も失ってしまう。

そして5年の月日が流れ、
本屋へバイトの面接へ行った大学生の北澤の前に現れたのは
店長の大宮だったのだ。。

もう、最初の話を読むと本当に何度も北澤のことを
こンのクッソガキ~~!
と、なじりつつ読んじゃうんだけどww
それが徐々に大宮のはっきりしない態度と大人的な狡さに
イライラっとし始めるんです。

大宮はずっとこの北澤への恋を引き摺って5年間を過ごしてきた。
でも今は恋人と同棲中なんですよね。
しかし、この恋人がこれまた顔がいいだけで(大宮は面食いってことだな)
性格最悪なんですよ。プライドだけが高くってさ。

夫婦で言うともはや家庭内別居。
離婚秒読みな感じの二人。
それでもなんとか二人の関係を修復しようとしていた大宮だったけど
北澤の出現とか恋人の度重なる浮/気とか
気持ちは北澤にいっちゃっているのね。

北澤も普通のフリをしてはいるけど本当は大宮のことが
気になって気になって仕方ないわけ。
中学生の時は一時の恋もどきのようなものだったけど
それでもあんなに愛情を示してくれたのはこの大宮以外誰もいないのだ。

相変わらず大宮には傍若無人に振舞う北澤だけど
「大宮に許されている」ことで安心もあるんだよね。
そして結局5年越しの二人の恋はちゃんと今度こそ実るわけだが・・・

忘れちゃならないのが大宮の恋人の存在。
浮/気を繰り返し大宮をバカにした態度を取るくせに
別れ話を持ち出されると途端に
「死んでやる」攻撃が始るのだ。

恋人がいることは実は北澤は知らないんだよね。
だから当然こんなこと言えるわけがない。
せっかく二人の蜜月が始るかと思ったら恋人が思いがけず自分に執着を見せる。。。
恋人の束縛と死んでやる攻撃に
どんどん心が蝕まれていく大宮。

このへんの心理描写というのが木原さんらしいというか。
リアルなんですよ。。。。
だから怖いんですよ、読むのが。。。

木原作品はいつも思うけど、
感情がリアルにわかっちゃうのね。しかも負の感情が。。。。
もちろんこんなのわかんねー、って時もあるけど、
誰にでも起こり得る出来事として考えると大宮のことはバカなヤツ、、、とは
一概に言えなくなっちゃうわけ。

それでも木原作品が心に残るのは
すごく恋愛体質だからかな。
キャラたちは間違いなく恋に生きる人たちが多い。

その恋の表現自体に問題があったりしても
そこまで人を好きになるってすごいことだよね、、、、って
思わせるものが必ずあるのだ。
いやBLはみんなそうでしょ、って言われたらそれまでだけどさww
それでも木原さんの作品ってのは
恋は甘いだけじゃなくて、ドロドロしてて、切なくて、痛いことも多いのに
それでもなんでこの人が好きなのをやめられないんだろう・・・・
って思わせるパワーがある。

だからあんなヤツのどこがいいの?と思っても
頑張れ!!と応援もしたくなるんだなww
恋愛に一生懸命というのが1番わかりやすいのは「薔薇色の人生 」かな?
こちらは受け攻め双方のキャラも好きだでしたけどね~ww


今回、あんなに恋人と揉めたのに
終息はあっけなくってちょっと肩透かしでしたが、
それでもあの我が儘王子の北澤が
すごくオトコマエな一面も見せてくれた!!

この子の性格だから恋人の存在を知って烈火の如く怒ってもう会わない、とか
言い出すのかと思ったら・・・・

このあたりは北澤も大宮のことを真剣に好きなんだなぁ、と感じられた。
北澤の場合は徐々に大人になっていけばいいさ。
大宮はそんな北澤をいつまでもうっとりと見ていそうwww


H度ドキドキドキドキドキドキ(最初は怖がっていても若いから柔軟性もある????)
ストーリー度満月満月満月満月


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