多感な思春期、
両親から顧みられず、
孤独ななか、
いつしかタバコが精神安定剤となっていた悠紀。

複雑な家庭環境で育ち
愛情のない結婚をし、
虚しさを感じながら毎日を過ごしていた瑛司。

高校生と社会人。
何の接点もない2人が出会って、身体を重ね、いつしか恋に落ちていくー。


うえださんのデビュー作なんですよね!
すっごく切ない!
ってわけじゃないんだけど、
じんわりくるんですよ~。

あー、やっぱりうえださん、好きだな~ドキドキ


うえだ 真由著「くちびるの封印」
くちびるの封印 (幻冬舎ルチル文庫)/うえだ 真由
¥560
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高校生の芳条悠紀は、満員電車の中で知り合った年上のサラリーマン・鷹宮瑛司に惹かれ、自ら誘って「一度だけ」との約束で関係を持ってしまう。しかし、そ の後鷹宮と再会した悠紀は、寂しさを忘れさせてくれる彼と身体だけの関係を続け、いつしか溺れていくのだった…。どんなに身体を重ねても、くちびるは重ね ることのなかったふたりだが—。デビュー作品・待望の文庫化。


たまにはピュアなものもレビューしようぢゃないか!


激しさはないんだけど
多感な高校生の気持ちと
そういうのを乗り越え、狡さとたくましさを
培ってきたサラリーマンとの恋愛っていうのも
良かったわー!!

全部が全部じゃないけど
振り返ってみると10代の時の悩みって
子供な悩み。
だけど、その時はその悩みで
いっぱいいっぱいになってて
世界がそれ中心になっちゃっているっていうか
それが自分の将来さえも左右するような
そんな気持ちにまでなっちゃうんだよね。

だけどそれでいいんじゃないかなー。

悠紀の悩みは両親のことだった。
母親は父が研究に没頭しているあまり
間男をつくり家を出ていってしまった。

父親は以来、それまで以上にむっつりとし
すべての感心を仕事に向け
母親似の悠紀とは完全に距離をとっていたのだ。

甘えたい盛りに甘えられなかったり
親にちょっとでもいいから自分に関心を持って欲しいのに
無視されれば、心はどんどん荒んでいってしまう。

だからその甘えたい気持ちを
ゆきずりの男・瑛司に向けてしまったんだよね。

誰かに甘えたい、
誰かに必要とされたい
誰かに自分を見つめて欲しい

両親から受けることができなかった思いを
他の誰かにひっそりと向けても
責められはしないよ~。

むしろ、そんな悠紀が
とーってもいじらしく感じて・・・

父親が嫌い、というのも
父親に構って欲しい、自分を見て欲しい、っていう
現れなんだよね。

もし、そんな淋しさがなかったら
瑛司とも付き合うことはなかったと思う。

ということは影の殊勲者はオヤジか!?

‥‥‥それはない!

でもね、どんなに瑛司のことを思っても
彼には奥さんがいる・・・・

だから踏み込むこともできない。。。

どっちにしても結局、悠紀は辛いんだよね。

なので瑛司のことを好きだ、と自覚しても
母や父のように背を向けられてしまったら・・・と思うと
怖くて、その恋から逃げ出してしまう。

もう、このへんからきゅううっと読みながらなっちゃうんだよ~。


瑛司もね、ただ年下のカワイイ男の子を
可愛がるだけじゃなく、
甘えさせるところは甘えさせ、
でも、自分でしっかり立てるように
厳しいことも言えるんだ。

これからどんな風に悠紀が「奥さん」していくのか
ちょっと興味があるな~ニコニコ

H度ドキドキドキドキ
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