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平清盛　第三回『源平の御曹司』

伊勢平氏発祥の地

◎『平清盛』登場人物／キャスト

「浅知恵で押さえつけられた者は、いずれ浅知恵でやり返してくる」
（平忠盛）

【あらすじ】
忠盛の実子・平次が元服し、家盛と名を改める。
一方の清盛は、鱸丸ら漁師たちと徒党を組んで
西海の海賊退治に邁進していた。

ある日、西海で捕らえられた賊たちが検非違使※に
引き渡されていた。
平家の家人たちがその様子を見ていると、その中に
賊といっしょに捕らえられていた清盛がいた。

※平安時代に検察・裁判・警察などの役目を請け負った官職。

清盛が船の警護役の令として受け取った積荷の米は、
朝廷への献上品であったのだ。

忠盛は清盛とその郎党たちの縄を解かせたが、
清盛は反発し、性懲りもなく西海の警護に戻ると
言ってのける。

父の態度に憤慨し、町を歩いている清盛の前に、
源氏の嫡男、源の義朝が姿を表す。

義朝は清盛に競べ馬※の勝負を申し込むが、
清盛は取り合わない。

※騎馬による競走

白河院崩御の後、鳥羽院が上皇として世を
動かしていた。

鳥羽院は、参内した忠盛に、白河院の落胤である
清盛が、院に忠誠を誓うその証を見せよと迫られる。

鳥羽院の近臣、藤原清成は清盛を北面の武士※に
取り立ててはどうかと進言する。

※院御所の北面（北側の部屋）の下に詰め、上皇の身辺を警衛、
　あるいは御幸に供奉した武士

しかし、清盛は北面の武士となって院に仕えよ
という忠盛の命に背き、あくまで野良犬として
生きていくと吐き捨てる。

その頃、検非違使によって清盛の郎党である
国松・時松・蝉松を牢から助けるため、博徒
たちが検非違使に投石するという騒動が起きていた。

騒動をの裏で糸を引いていたのは清盛であった。
清盛は警護の隙を突いて郎党たちを脱獄させたが、
運悪く院を乗せた牛車の護衛に組み伏せられ、
郎党たちは結局牢に入れられてしまう。

牢破りの実行犯が清盛であることを知った
忠盛のもとに、当の清盛がやってきた。

清盛はすべての責めは自分が追うと申し出るが、
忠盛は隠し通せと迫る。

食い下がる清盛に、忠盛は、事実を突きつける。
清盛が海賊退治と称してやっている賊退治が
新たな賊を生み、そのたびに平家一門が清盛を
守っていたことを。

清盛は、自分が嫌っていた平家一門に守られていた
ことを知り、愕然とする。

館を飛び出した清盛は、義朝のもとに馬を
走らせるのであった。

【レビュー】
録画した第三回を三回見終わりました一大河です。
石清水八幡宮での舞以降、さらに汚しの効いた
清盛が暴れまわる第三回、あなたはどうご覧になりましたか？

清盛の衣装に新たなアイテム、「魚網」が加わりましたね。
武士の頂点となる前に、まずは海賊王への道を進もうとする
清盛を象徴しているようでした。

今回も清盛に大きな影響を与える人物が続々登場。
まずは、藤木直人兄貴演じる、のちの「西行」、
歌人・藤原義清。

桜の花びらを見て一句、才色兼備のハイスペック武士として
登場初回からチートキャラの様相を呈しております。

そして、玉木宏兄貴演じる、清盛最大のライバル源義朝。

登場するやいなや、Twitterに「玉木宏△」のツイートが踊り、
その清盛へのデレっぷりが話題となるのでありました。

たしかに、玉木宏兄貴が出てきた瞬間に、
あの汚しの効いた画面が華やかになったように感じましたね。
玉木宏兄貴の甘いマスク恐るべしであります。

一大河が選んだ今回の見所は、二つ。
ひとつは、三上博史兄貴の狂気的な鳥羽院の演技。

実の祖父である白河院に正室を寝取られ、
二人の間にできた子に天皇の座を奪われるという
悲劇的な役柄を、実に巧く演じていますね。

第一回では、花を愛でる繊細な人物という印象でしたが、
回を重ねるごとに、狂気に満ちた人物に変わっていく。

正室・璋子に対して、先の院に寝取られてできた崇徳天皇を
わが子のように慈しむことはできぬと怒りをあらわにした
シーンでは、開いた瞳孔とくっきりと出た青筋が異様に
恐ろしく感じたものです。

バックで流れていた三味線の荒々しい音色のごとく、
刃物のように鋭く尖っていく鳥羽院の演技に今後も
期待したいですね。

そして、もうひとつは平家一門を支えるおっかさん、
和久井映見姉さん演ずる宗子。

忠盛によって嫌っていた平家一門に救われていたことを
知らされる清盛をかばい、清盛を疎んじる忠盛の弟・忠正に
対しては、「清盛はわたくしの子でございます！」と
訴える姿に心を動かされました。

実に、いいおかあちゃんですね。
初回では他所からもらってきた子・平太を拒絶するような
態度をとることもありましたが、今となっては本当に
わが子のように愛情を注いでいる。

女性の登場人物のなかでも、特に美しく、たくましい。
正反対の悪女として描かれる璋子とどうしても比べて
しまいますね。

無論、どちらもいい演技をする役者さんであることは
言うまでもないのですが。

まだ三回目の放送が終わったばかりですが、
まことに演者さんに恵まれた作品だと思います。

北面の武士として鳥羽院に仕えることになった清盛、
そして、その清盛が一目を置く存在となった義朝、
運命的な出会いを果たした源平の御曹司たち。

競べ馬の後に義朝が清盛に放った言葉、

「俺は思い知らせてやるつもりだ」
「武士がおらねば王家は何もできぬと！」

のちの平治の乱で清盛と武士の棟梁の座を巡って
争い、最期を迎えた武士・源義朝の思いを、清盛が
武士の頂点となって受け継いでいく。

今後の二人の行く末に期待であります！

今回の「清盛紀行」は三重県津市の伊勢平氏発祥の地

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