時をかける
この地球上には世界一平等な銀行があるという。
人々に毎日86400ドルが振り込まれるという銀行。
必ず毎日。どこにいても、何をしてても。
誰にでも平等に。
ただひとつだけ。
そのお金はその日に使い切らないと、翌日にはもう使うことはできない。
みんな必死で毎日引き出すだろう。
―――そう、「時間」。
60秒×60分×24時間。
誰しもが平等に与えられた時間。
その1秒には、男女の差も、人種の差も、貧富の差もない。
果たして僕は毎日その価値を感じているだろうか。
1年の大切さは
浪人生が知っている。
1ヵ月の大切さは
数字に追われる営業マンが。
1日の大切さは
路上で生きるアフリカの子供たちが。
1時間の大切さは
別れを惜しむ恋人たちが。
1分の大切さは
ホームに駆け込む通勤ラッシュのサラリーマンが。
1秒の大切さは
交差点で老婆を助けた青年が。
10分の1の差は
悔し涙に濡れる銀メダリストが。
「今」を表す英語は「present(プレゼント)」
恵まれたこの一瞬を大切にしよう。
