前回あんな大口叩いときながら、こんなに遅くなってしまいました



今回は「復対立遺伝子」いわゆる人間でいう『血液型の決定』について書きたいと思います


皆さんのご存知の通り、血液型には4種類ありますが、これも今までと同じく2つの遺伝子の組み合わせによって、決まってくるのです

しかしこれまでと違うのが、大文字小文字の2種類ではなくABOという3種類が出てくることです


言葉で行ってもイメージが取りにくいので早速例題で解説します





例)A型の男性と①ある女性が結婚すると

  A型、O型の子供が生まれました

  

  そのA型の娘さんと②男性が結婚して

  B型、AB型、O型の子供が生まれたという

  (ここで生まれたB型の子供を、問題文☆で表す)

  (    〃    AB型の子供を、問題文▽で表す)


  ただし、②の男性の兄弟(この場合は親が同じ者とみなして)にはA型、O型がいる

  さらには父親はB型である。問題文での③を母親としたとき


  次の問いに答えなさい



問Ⅰ)①②③の人物の血液型で可能性のあるものをすべて答えなさい

問Ⅱ)問題文6行目☆B型の子供の遺伝子型を推定せよ

問Ⅲ)   〃    ▽AB型の子供がAB型の人物と結婚した場合、生まれてくる血液型とその確率をすべて求めなさい




ちょ~と、ややこしかったでしょうか?


とにかく、ABOの仕組みがわからないといけないので、それをまず解説します


ここはイメージでとらえましょう

A=B>O(←数学苦手だから、藁にもつかむつもりでこの解説を読んでいるのだから、もう数学は嫌だ・・・)


まあまあ、そう言わずについてきてくださいよ(-_-;)




イメージ通り、A・Bは対等関係にあります

AB型というのはAもBも持っているということ(前回の不完全優勢に似たイメージを持っていただければいいかと思います)

逆にOが含まれると、対する側のAまたはBが優先されA型、B型というように現れます

言うまでもなく、O型というのはOOという組み合わせです


(まだ、わからないという方向けに補足すると


A/B→大文字

O→小文字

と思ってもらって構いません


特殊な場合はABの組み合わせの時で、それ以外は、全てこれがいえます)




さて、お待ちかねの解説に移っていきます


Ⅰ)

①…子供でA型というと   AAかAO

       O型というと   OO


   A型の父がいる   AAかAO


この3つの情報があります

まず父親から強制的に子供に片方の遺伝子は受け継がれるので、AAの父ではOOの子供に対応できません

よって、AとOの両方を父親が持っている


こう考えた場合、子供は3種類の遺伝子型を持つので母親から来るべき遺伝子型で考えられるのは


AAの子供~~~~A

AOの子供~~~~O

OOの子供~~~~O


よって、母親はAOのA型

といきたいところですが、AAとAOの子供に注目してもらったらわかりますが、おなじA型です

問題文ではA型という指定しかありませんので、AAを無視して

母親はOOのO型


と考えても良いわけです


答え、A型・O型


②…以下、①と同様に考えます


   B型(BBかBO)・AB型(AB)・O型(OO)


   娘はA型でAOと考えるが妥当

   よって、旦那さんはBを持ち、かつOを持つ


答え、B型


③…今度は逆算になりますが、理屈は同じです


   注意点としては②の男性がBOの遺伝子型であること


   本人B型(BO)兄弟にA型(AAかAO)、O型(OO)

   父がB型(BBかBO)


   父はAを持たないので、母はAをもつ

   さらにO型の子供がいるので母もOを持つ


答え、A型



Ⅱ)ま、推定ですからB型の子供の時点でBBかBOの二択です


Ⅰの②で示したようにAOの女性(娘)とBOの(旦那)から生まれてくる子供です


・・・・これまで分かっていらっしゃる方ならば、解説はいりませんよね


答え、BO


Ⅲ)AB型と聞いて何を悩んでいるんですかと聞きたいような問題ですよね!?(皆さんそういうレベルに達していますよね。そうでないあなた!頑張ればすぐにつかめる野生の勘みたいなものですよ~^^)


AB型と聞いて、もう遺伝子型はABしかありません(一応文章でややこしくした問題です、こういう問題は入試でもよく出されます)

相方をAB型とするので、こちらもABです


AB×AB


答え、AA:AB:BB=1:2:1

いつぞやの表でもこのような表現は出てきましたよね



さて、この問題についてのテクニックみたいなものを1つお教えします


Ⅲと同じような感じで、O型もOOの遺伝子型しかありません

これには、その両親には必ずOを含むということを暗示しています


つまり、AO・BO・OOのいずれかに該当するということ


この時点でAB型が消えます



このように、見ただけで選択肢を消せるということは、私大やセンターに多い選択問題において、結構有利です


こういうものも少し覚えておいて、損はないのではないでしょうか

3月の地震の影響で(関東の大学なので)始業が遅れたこともあり、ようやく夏休み突入です

これからペースアップしていきますよ~



今回は「不完全優性」について勉強していきましょう


例)

花の色が中間雑種を持ち、その色は桃色であるマルバアサガオ

赤色 R  白色 r

この赤白それぞれ純正Pを交雑してF1を作った

さらにそのF1を自家受精してF2を作ったとき、F2の分離比を求めてください





このような問題で、まず「不完全優性」「中間雑種」この言葉がわからないと解けないので簡単に解説します(用語は解きながら…という僕のポリシーに反しますが、許してくださいね)


不完全優性

…読んで字のごとく、優性なものが不完全であることなのですが。

ざっくりというと、大文字小文字に優劣がありませんということ


今まで、Rrなどという場合だと大文字優先でRの表現型、赤色を示してきたわけですが。

今回はRrだといってR(red赤)を示さない、新たな「桃色」を示すということです



中間雑種

…これがいわゆる、優性でもなく劣性でもない「中間」

今回の例だとRrの桃色というわけです


大雑把に言うと「不完全優性の時の(大文字+小文字)Rr」




さて、用語はよろしいですか?

では、解説します




純正Pの交雑とは

RR(赤)×rr(白)


よってF1は

Rr(桃)


F1の自家受精とは

Rr(桃)×Rr(桃)


よってF2は

赤:桃:白=RR:Rr:rr=1:2:1




…ですね。これまでちゃんとやってきた方なら、なんにも面白くありません…


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「致死遺伝子」もやっちゃいますか?


例2)

致死作用Yを持つ、ハツカネズミ

黄色遺伝子 Y 非黄色遺伝子 y

Pがヘテロのとき、F1の分離比を求めよ


じゃあ、早速(ヘテロの意味は大丈夫ですよね!?)(わからない人~…実はヘテロの解説してませんでした。なので参照ページがありません(近日用語集をうpしときます))


Yy(黄色)×Yy(黄色)


YY:Yy:yy=1:2:1


よって、黄色:非黄色(灰色)=3:1

こうなって欲しいですよね?


ここで忘れてはいけないのが「致死作用」

Yがホモになっちゃうと死んじゃうんです(かわいそうですね…)(ホモの意味もわかってね~(その1参照!!大事なことだから2回でも3回でも忘れたら見返すこと!))

具体的には、流産するとか・・・当時高校の生物で習った記憶があります


ですから、



YYは存在せず

Yy:yy=2:1


よって、黄色:非黄色(灰色)=2:1


となるわけです