父親が脱サラしたのは
去年のこと
いきなり
２週間後からバーを始める
って言われた
共働きだったし
貯金もあるから
大丈夫だった
でも先週
母親に癌が見つかった
その日は私も疲れてて
普通に悪態ついて
大喧嘩した
裁ちばさみで
殺されそうにもなった
それからメールが来て
あと３年もお金がないことを
知った
塾をやめて
学校は奨学金になりそうだ
それでもよかった
不安だけど
頑張ろうと思った
でも
奨学金のことを話したら
「やっといて」
って冷たく突き放された
本当に嫌われたのかもしれない
って思って
母の日記を初めて見た
私のことがほとんど
書かれていなかった
よく考えると
幼稚園の時は
ほとんど預けられて
小学生の時は
家にいても運動会に来てくれなかった
元々あまり好かれていなかった
忘れてた
親を嫌いな子供はいないけど
子供を嫌いな親はいる
一人だったら
どんなに良かっただろうか
離婚したら
パパについていってね
そんな母の言葉の数々
忘れてた
愛されていないこと
私が死んだら
母は悲しむだろう
少しホッとしながら
私は生きていない方が
絶対に良い
勉強も出来ないし
才能だってない
もう母の誇りには
なれないかもしれないのに
生きてる意味なんてない
自殺は残された人を考えて
出来ない
でも
誰にも迷惑かけずに死ねるなら
私は死ぬべきだと思う
私のことを好いてくれる子は
たくさんいるかもしれない
私が死んだら涙を流す子も
いるかもしれない
でも
そんなものは１ヶ月で忘れる
私のことを愛してくれる人は
いない
私は努力しなければ
好かれない人間なのだ
ありのままはだめなんだ
努力しなきゃ
努力しなきゃ……
果てしない努力に疲れてきた
私を好いてくれる人は増えても
愛してくれる人は増えない
一番愛している
母親から愛されない
努力しても愛されない
努力しなければ嫌われる
そんな人生に
嫌気がさしてきた