「お前はマジ役に立たねぇな」
母の告別式の次の日、僕は長男にこう言われました。
それを言われた僕は家を出ました。
数時間泣いていました。
血が出るほど手首をかきむしりました。
それからしばらくして次男が僕を迎えに来ました。
次男は僕を連れて家に戻ってきました。
長男は涙を流しながらこう言いました。
「お前も強くならないと」
「家族なんだから何でも相談しろ」
涙を流しながらそう言ったのです。
その家族に存在を否定するような言葉を投げつけたのは誰だろう。
心を引き裂いたの誰だろう。
1年前、長男は僕にこう言ったんです。
「お前はマジ何もできねぇな」
寝ているところに水を溢してしまっただけの僕に。
次の日、兄は何事も無かったかのように接してきました。
それから数ヵ月、毎日死にたい気持ちを持っていたことも知らずに。
そんな人間が何故涙を流せるのだろうか。
何故家族を語れるのだろう。
僕には全く分かりません。
僕はどれだけあの人がいる世界で生きていかないといけないのでしょう。