アンリ・ルソー
高校生の頃、美術の教科書を眺めていて、この画家はなんでこのモチーフを題材にしたのだろう?
どういった場面なのだろう?
違和感というかモヤモヤした気持ちを抱いたのがルソーの作品との出会いでした。
ルソーは税管史として働き、夜は制作に励み
40代で仕事を辞め、本格的に画家の道をスタートさせました。
休みの日に絵を描くスタイルから
「日曜画家」として有名です。
しかし、独学で絵を勉強した独創的なルソーの作品は当時は受け入れられず
「子供が描いた絵だ」「へたくそ」「不快な絵」と激しく罵られていました
そんな中、数少ない支持者の中でも熱烈にルソーの絵を褒めた画家がいました。
あのピカソです。
ピカソはルソーの絵を褒めたたえ、死ぬまで彼の作品を大切に保管していました。
ピカソはこう言っています
ラファエロのように描くには4年かかったが、子供のように描くには一生かかる
ピカソにとって、ルソーの世界観はひとつの目標だったのかもしれません。
そして、ピカソがルソーを励ます会として開いたのが美術界では伝説となる
ピカソのアトリエで開かれた夜会。
アポリネールら親しい友人のほか、ピカソのパトロンであるガートルード・スタインなどがルソーを歓迎しました。
スペイン料理を振る舞われ、自らを讃える詩の朗読を聴いたルソーはいい気分でヴァイオリンを演奏して酔いつぶれたという。
行きたいなんておこがましい事は言えないけど、せめて覗いてみたい。
タイムマシンがあったら僕は間違いなくこの日に行くと思います…笑
さて、ルソーの作品の特徴として
まず、亜熱帯をおもわせる森林をモチーフにした作品が非常に多いです。
ルソーは絵に描くような森林には一度も行ったことがなく、想像力だけで自分の世界を構築したと言われています。
そして色。
緑色にしても21種類のトーンを作品に取り入れています。
色彩に関して敏感であり、天才的な目をもっていたんだと思います。
ルソーが最後に仕上げた作品「夢」
森林の中に裸体の女性が横たわっています。
ライオンは顔をだし、静寂な月は不思議な輝きを放っています。
解釈はそれぞれですが
きっとここが、ルソーにとっての楽園だったのではないでしょうか。
タイトルの通りルソーの夢の中。
自分の信念を貫くのは簡単なことではありません
周りに評価されて価値がつく創作の世界
それでも自分をあえて曲げず突き進むルソーの精神には感銘をうけまし、
ルソーの幻想的な絵を観ると、どこか癒されるんですよね。