秘密のラブレター 





これは誰にも知られない
私の人生最大の秘密の物語
きっと、誰にも打ち明けない私の秘密
深いからこそ誰にも言わない
秘密のラブレターを
ここに残しておきたかった。

だって命っていつ尽きるかわからないし、
明日、何が起きるかわからないし、死ぬかもしれないし、いなくなるかもしれないし
時は止まらず進むから。
そして、忘れていくから。


あなたと私の距離も一層離れていくから。
心を追い越してしまう前に。。。

せめて、本当をここだけに残させてよね。

許してください。

論文並みになったけど、最初で最後だから
許してください。




吸って〜、吐いて〜、ふぅ〜〜 
深呼吸

目を閉じる 

緊張してきた



一年越しの物語を語る



あなたとわたし


ふいにぶつかった 

あの日から一瞬が一生に変わった

強烈な光は強烈な闇も連れてきた


あらゆる枠をゆうに超え
時間の概念もそこにはなかった
上がるも下がるもない同じ波長 
同じ色 
ノイズがない

あんな感覚は初めてだった
理屈抜きに とんだ安心感だった
なんで、こんなに安心して
なんで、こんなに懐かしく思うのか

それに気付いたのは
さよならしてからだった

いや、気付かないフリができた。
だって隣にいたから。。明日も会えるから。


本当は、『はじめまして』からわかってた
とんでもない縁にぶつかってしまったことを。

初めてあった日、戸惑ったのを覚えてる

何?なんなんだ!いきなり入ってくる!
隣に座って5分もしないうちに
なんだ、かんだと言っている
まるで昨日の続きを話してくるかのように


私、そんな距離詰められるの本当は警戒するのに、ぜんっぜん、大丈夫なの、何?
周りがびっくりするほど初日に仲良くなってた
もしかして、人たらしか?
コミュ力おばけなの?
そんな、はじめましてだった。

毎日、となりにいた。
毎日、当たり前のように
あなたのとなりには私がいて
私のとなりにはあなたがいて
なんだ、かんだと話したり、話さなかったり、
笑ったり、うとうとしたり、よく私のとなりで寝てたから、頭わしゃわしゃしてやろうかと思ったり、思わなかったり
そんな毎日。

ふたりの帰り道、一番ほっとした。
あの時はまだ知らずにいたけれど、
まるで秘密基地にいくみたいな冒険
桜も咲いてないけど、きっと咲いてた
夕暮れのチャイムが鳴った時みたいな温かさ
ふたりして
陽炎のシュリーレン現象の中で歩いてた


安心感と心地良さと安らぎに
意味もわからず すとんと落ちてしまう
そんな自分にとまどい
気付かないフリをして
なんの涙かわからずに
笑顔で見送った



あんなに素で自分らしくいれるなんて
自分だからわかってる

最初で最後だったこと

もう立ってたんだよね
何のためらいもなく
ノックする間もなく
私の中にいた
そんな人いなかったよ?


そんなとんでもない縁(えにし)に
ぶつかってしまった

この世には説明のつかない
理屈じゃない縁がある
魂のえにしがあることは
どうやら確からしい

心のもっと奥の魂が
忘れてはいけない人だと認識してる
そんなのいくら抗っても
勝てるわけない

きっとそれが
会うべくして会った
魂の繋がりがある人なんだろう
そう自分の意志なんて  
そんな壮大なスケールに
勝てるわけない


何度もほおむって
何度も忘れようとして
抗ってみたけれど

けれど、、、
たった1日たりとも
忘れた日なんてなかった

ずっといた 
頭に心に魂に
ずっといる
ずっと、、、

それって、とんでもなく、苦しい。
空前の苦しみなんだ。
言葉でなんて言い表せないんだ。


もう自分が頭がおかしくなったんじゃないか
と思った
どうして?なんで?なんで消えないの?
足掻けば足掻くほどに沈んでいく
そんなに深い想いを抱いてしまったの?
そんなにそばにいれないことが苦しいの?
あんなにフランクで楽しい仲だった
“だけ”、、、じゃないの?


それは日ごと自ずと思い知る深い縁

もう会えない苦しみに泣いて
あなたのいない今日が始まることに絶望して
いつまで経っても消えないことに
絶望と拒絶までして。

こんな心情は生まれて初めてだった

それが何なのか ずっとずっとわからなかった

まるでパラレルワールドにでも迷い込んだようだった


激動と激情と衝撃。


神さま 友達じゃダメだったのですか?
  

「恋愛」という言葉がチープに思うほど
違う枠がそこにあった 


ただ何でもない他愛もない話をするだけで
すべてが満たされてしまう
気力が沸く 歓喜する 
まるで過去の傷さえも癒されてくような
孤独も嘘のように消えてく

穏やかな海
落ち着く夕焼け空
みたく
何もなくていい 
無二の友 無二の愛 だった。

そんな存在に出逢ってしまい……


年齢差があったから余計に苦しく
試練に思う感情だった

それがふたりを一番苦しめたことだろうと思う

それでもそばにいた時はまったく
気にしたことはなく
楽しくて仲良くて親友みたいだった
双子みたいに似てたのかも

そうあの駅のあのベンチに座った時みたいに
背中合わせのようなふたりだった


とにかく
ふたりならわかる話 
ふたりだから楽しい話 
人からしたら、何が面白いの?っていう話
というか、人には取るに足らない話
なんでもない他愛もないそんな会話
それがすんごい楽しかった。

でもある人は気付いてた
(いや、みんな気付いてたな 今ならわかる
すごい交わったオーラふたりで発動してた)  

こっそり言われた
「ねぇいいの?ふたりすごいお似合いなのに
本当にいいの?年齢なんて気にすることないよ
なかなかないよ〜、気が合うって」
休憩中にふいを突かれた。
誤魔化して、
「いえいえ、そんなんじゃないです!ほんとに仲良いだけです!」

そしたら、ふたり揃った時にも言われた
「ふたり見てると微笑ましい。ふたりの年齢足しても、私の年齢にならないのよ
こんな人に会うことめったにないよ」 って。

また誤魔化して
「私が、彼に付き合ってあげてるだけですよ」
って言うしかなかった。

その優しい方はすでに気付いてた。
私の誤魔化し続けてる
見ようとしない想いを。。。

あの頃の毎日が宝物になって
もう幻じゃないかな?とさえ思う

相合傘なんてしたことないのよ
しかも日傘でさ
あの夏の帰り道、私のたからもの

好きも嫌いも苦手も怖いも
こんなに同じな人
いないのよ
心がふわりと柔らかいところとか
敏感なところとか
優しい部分が同じなところとか
気遣い半端ない、気疲れさんとか
感受性が豊かとか、創造力とか

(彼の方が全てレベル高いけれど
てか、なんであんな器あるんだろ?
その懐と器の深さにビビったんだよね
同じ頃の自分と照らし合わせると恥ずかしくなるほど)

あと、
服装よくかぶってたとか笑
(今日服の色一緒じゃない?って
 言ったのに気付いてくれなかった)

笑い方も似てたな
自分と手が似てる人なんて初めてだった
手相似てるねって言ったけど
本当は「手、似てない?ほらね」って
言いたかった
いろいろ似すぎなの
怖いのよ 

気付いてたのかな?

だからなのかな、
自分に似てる、まるで自分を見てるみたいと
出会った瞬間から思ってた

彼の中に、私を見つけてしまった。

優しくて 愛おしくて いじらしくて 
小憎らしくて いたずら好きで
私の横ですぐ眠くなってウトウトしてる
そんな貴方でした

なのに 
孤独で ひとり背負い込んで
戦ってて 奮い立たせた刃(やいば)
のように研ぎ澄まされてて
内面が豊かで 達観してて
寂しそうな
そんな貴方でした

何でも見透かされる
見たことない段違いの美しい魂
それは 貴方だった


もしかしたら誰にも触れられない深部を
知ってて理解できる人は
彼だけかも知れない、なんて思う
彼にしか見せない私が確かにそこにいた

ここから先は誰にもわかってもらえない
そんな空虚な空間とか言語化できない内側を
隣にいるだけでいとも簡単に埋めていく
特に特別深い会話なんてなくとも。。。

「何考えてるか、わかり過ぎる」なんて
よく言われてたな。



そして、彼の奥にある空虚な空間が見えるのも
私なのかも知れない。。。
そんな気がしてならなかった。

傲慢かな?許してよ。。
だってそう思っちゃうもん。


とにかく
素の魂を知られてる。そんな感覚。
なんていうか
ふたりでいると、ひとつの感覚。
それがなんなのか、もう不思議すぎて、
とにかく、居心地が良すぎて眠くなる。
まどろみがこだましてた。


最後の日

名前を知ったの
すごいパニックになった 
だって私、君の名を君と出会う前に書いてたの
その時の感情も覚えてる
惹き込まれて目についた
なんだかこの漢字忘れたくない、
忘れちゃいけない、メモしなくっちゃ!って
付箋に走り書きして、

机の引き出しにしまってた。

「稜」の字

なんで?
なんでなの?
こんな不思議体験してる人でてきてよ?
解明してよ、私を慰めてくれ



なんで最後の日に知るんだよ
私のバカ!ほんとにバカ!
なんでその日まで聞かなかったの?
たぶん、知ったら言ってしまってたから
最後の日に宿題を出されたんだろ。。


。。。最後の日


「ずっと一緒にいたね 楽しかったね」
と言ったあとに
言おうとして飲み込んだ言葉

「同性に生まれて出会えてたらよかったね
そしたらずっと友達でいれたのにね、
別れずに離れずにずっと一緒にいれたのにね」
って。

本当に言おうとして、やめた
だってもう明日から会えないのにって
飲み込んだ


その続きがこんなにも苦しくて
魂まで心髄するなんて思わなかった



きっと彼も苦しかった、、、

もしも、もしも同じだとしたら?

ごめんね、本当に辛くしてごめんね
出会ってしまってごめんね
こんなどうしようもなく深くなってごめんね
あなたの大事な世界を、、、壊してたなら
ごめんなさい。

身が引き裂かれるほど強烈に苦しかった
まるで自分の体の一部をもがれるような痛み
世界が崩壊していく怖さ

それってあなたもだったの?
それとも、私だけかな、、?

本当は本当はぎゅっとハグしたいよ。
ごめんね、出会ってごめんねって
ただただその心を抱きしめたいよ。

もう、ふたりで笑い飛ばしたいよ
こんなどうしようもない日々を

あんなに会いたくて仕方なかったのに
車でたった5分で着く場所に住んでたなんて
バカヤロー。
すぐそばにいたのに。。
なんだこの運命のイタズラ
なんであんな遠い故郷から
私の住む街に、たった5分圏内に来たのか
教えてください。



この先どんな思いになるのだろう


こんなに苦しい思いをするぐらいなら
彼に出逢う前に戻りたい?

彼をまだ知らなかった世界
疑う余地もないその道

静かに、穏やかに、激情もなく、
悩みはあるけど、どうにか生きてただろう
自分の世界を生きていただろう

けれどあの夏を、あの時を
まるごと無かったことになんて、できないよ。

きっと最初からやり直せても、
私はきっとあなたにまた踏み込んでしまう
そして、あなたも私に踏み込む
繋がってしまう。


出逢えてよかった、
出逢わなければよかった。

だけど、

「あなたとなんて出逢わなければよかった」
なんて、
お願いだから
言わないで。。。

だってこんな広い世の中で出逢えた奇跡は
生きる意味をも越えてしまって
どこに繋げていこうかと途方に暮れるほどの
激動だから。それぐらい深かった。

そんな人生があったなんて、
本当は幸せなことなんだろうね。



彼を通して私を見つけたんだ
彼の中に、私を見つけたんだ
今まで知らなかった私を見た
今まで知らなかった世界を見た
それは彼が私にくれたギフト
彼が私を見つけ出してくれた

ふたりじゃなければ 知らなかった世界



なんて不思議な世界だ
なんて不思議な縁だ



孤独になって、空虚になって、
心が破壊されて
世界が破壊されて
自信も全て無くして
あった自信も全て奪われて
自分の核まで粉々になって
もう玉砕よ

だから

宇宙まで見て
深海まで沈んで
光も闇も味わって
もう、その世界何周もして
生きる気力も無くして
あなたのいない世界が苦しすぎて
けど、あなたはもういなくて
進む時の中が苦しすぎて


はっきり言って、死にたくなるぐらいだった

なんで、そこまで?って言われても
そんなの自分でも理解不能よ!
勝手にそんな世界にさらされて

つまり、それは、自分との飽く無き戦いよ

もうゲームオーバーでいいのに。
負けていいのに。
忘れていいのに。
消えていいのに。
と、どれほど思ってるか


それでも時は止まらず
あなたと私の距離も一層離れる
一歩、また一歩、離れる。

なのに、離れるどころか
なんでこんなに側にいるんだろ。。
より一層結び目が固くなるの?
なんなんだろう。。



そんな不思議な世界でこれからも生きていく



この世で生きる意味をも越えた
貴方という存在



本当に心からありがとう

いつか逢えそうな気もするんだ

この世でかは、わからないけれど、、
せめて次の世では同じ時の中で生きたいよ

魂に刻んでおくよ

「出逢ったら合図するから絶対に離れちゃダメだよ、
唯一無二な存在だから離れちゃダメだよ」
って魂に書いても、
忘れるからなぁ。。

前世もそう思って二度と会えなくなったのかな

ごめんね、前世、今回も試練が多すぎて
離れちゃった、だって困難すぎるよ。。。
どれほど、どれほど、戸惑ったことか。


だから、こんなに苦しかったんだね。


縁が深いとわかっていても
そばにいれなかった人生。

貴方の大事な人生だから。




不思議なことばかりだったよ、
だけど、

この世のどこかで同じ空の下で生きてると思うと幾分か痛みも苦しみも和らぐ

会いたくて、会いたくて、たまらなかった人

私にとって無二の友、無二の愛

さようなら。







そしてあなたの音は唯一無二の
美しい音 
美しい声だよ

そういえば、直接言ってたなぁ

「唯一無二よ、そこがいいんじゃない
そこが、好きなの」って。

あの時、聴けなかった。
隣にいる人の楽曲なんて、とんでもなく
恥ずかしくて、照れくさくて
聴いちゃいけない気がして
全部聴くのが怖くもあって、、、

でも失礼な気もして、敬意を持って
やっと聴けたのは
さよならする3日ぐらい前だった。

号泣してしまった。
あの夜、何の涙かもわからずに。
すぐそこに迫った別れを感じて。

にも関わらず、
彼は、翌日
ライブの後飲みすぎて、吐いて、
お茶漬け食べてたと話す。
お茶漬けいいね、なんて。
それも、思い出だな。




きっと私の魂に響く音は
この世界には 他にない、他には、、、

その意味の深さわかってよね。

誰にどんな楽曲をプレゼントされたとしても
あの瞬間、響いたのは、その声だった。
似てるんだよね、声質。
ごめんだけど。


だから聴けないのよ、尊とくて。
泣いちゃうから。
でもずっとずっと忘れない。
時代が移り変わっても。
大事にするよ

No.93









これは誰にも知られない
秘密のラブレターなんだろう



誰にも言わない私の秘密よ


後にも先にも存在しない
とんでもないラブレターだ
とんでもない人生の物語




ありがとう 



さようなら


いつか、言えるといいね

あの時、苦しくて仕方なかったけど
それも含めて出逢えたことに感謝したい
ありがとうと言いたい。

こんな魂の大冒険、できればしたくなかったよね。
だけど、本当は、誰もができない大冒険かもね? 
あなたとわたしの物語

いつか、ずっと先に、思い出す時
くすっと笑っちゃうくらいになるといいね

仲良しなふたりがにらめっこして
笑ってた時みたいに




20230612〜20230707


20240623