大切なあなたへ
さわこ通信
保育士最後の16年目の3月...
私は年長組の担任をしていた
夕方子供達と帰りの会をしていた時に
ドア越しの向こう側にお母さんが
立っていた
そのお母さんは2歳児クラスのTちゃんママ
お母さんは私を呼んでいた
その呼ばれた理由とは...
遡る事、保育士4年目の頃
私にとって忘れられない出来事が
あります
保育士としてもがむしゃらに働いていて
余裕などなかった日々
保育士としても半人前で
やることなすことが空回りしたり...
怒られる事もたくさんあったり...
そんな年に受け持ったクラスが
年中組
そのクラスは男の子が多く
元気いっぱいの賑やかでした
そのクラスにいたMくん
Mくんは3歳児の時に発達障害と
診断され、療育にも定期的に通って
いました
前の担任からMくんの事をしっかり聞き
ました
ただ私はその時、発達障害の子を
受け持つのが初めてでした
初めてだから、わからない事だらけでした
いざ4月からの新生活が始まると
Mくんはクラスが変わり落ち着かず
座って何かをする事は難しく..
遊びの途中を中断されると
かんしゃくをおこして
泣きじゃくる
やり方や環境が変わるとパニックになる
そして私が1番困ったのは
思い通りにいかないと
部屋から抜け出すこと
それは遊びの時だったり
給食の時だったり...
それは衝動的に
その当時私は発達障害の子へ知識や
関わり方など勉強不足でした
勉強不足だったからこそ
必死にMくんの突発的行動を
止めようと必死になってました
けど、必死になればなるほど
Mくんは暴れてしまい
もうパニック状態に
そんな日々に私は
自分でどうしたらよいか
わからなくなりました
Mくんにどう関わってよいのか
わからず涙しました
ただ救いだったのは
Mくんのお母さんは私の事を
信頼してくれてM君の家での様子や
いろんな癖やこんな時はこうするなど
細かく教えてくれました
保育士4年しかたってない
自信なさげな私だったのに
1人の保育士として見てくれて
接してくれたこと
自信なさげな若い保育士って
親から見ると、この先生に
預けるのは不安とか思うのに...
Mくんのお母さんの気持ちが
すごく嬉しかったです
年中組でパンツへの移行が
まだだったけどそれが出来る様になり
いろんな事ができるようになったりすると
お母さんと喜び合いました
常に報告や連絡ノートは
欠かさずにやりとりをしていました
周りの子と比べるとM君の発達は
緩やかだけどちゃんと進んでいて
MくんはMくんなりに
成長をしていました
そして私もそこから発達障害の本を
読んだり研修に参加したりと
熱心に勉強しました
本気になったのです
そこから得た事は保育に実践したり
しました
ちょうどその時にMくんの定期的に
通っていた療育センターへ
Mくんが普段どんな事を訓練しているのかや
様子を見学に行きました
そこでの療育の様子は私にとって
すごく勉強になりました
Mくんが集中してパズルに取り組む姿を
みて、保育でも取り入れました
トライ&エラーの日々になりました
当時のむしゃらな毎日は
変わらなかったけど私の中での
保育の視点が変わりました
できないことばかりにフォーカスせずに
M君にとってできる事はなんだろうか?
あれをしてみよう!
これをしてみよう!と
意欲的になりました
あの時の葛藤があったから
Mくんがいたからこそ
私の知識や経験、学びの幅が
すごく広がりました
そして私は年長組と持ち上がり
M君が卒園を見届けました
そして私は当時いた園から
異動してしまいました
けど、時々スーパーとかで
バッタリ出会ってたりして
Mくんの方からよく
「先生、こんにちは」と
話しかけてくれたりとMくんの
成長が嬉しく感じていました
そして月日は流れ私は
Mくんがいた園に異動になり
戻ってきました
そしてそこには、M君とM君ママの
姿がありました
M君は中二になっていました
あれ?なんで保育園に?
どうゆう事かと言うと
M君には妹が生まれ、
Mくんの妹Tちゃんは
その園にいたのです
妹ちゃんのお迎えに一緒に
来ていたMくん
Mくんのお母さんとも
久しぶりお話したりと
懐かしい日々を思い出しました
Mくんが中3になりました
そして私は結婚が決まり
もうその年で退職する年でした
そんなある日、M君のお母さんは
私のクラスの前で私を呼んでいる
何だろう?と思いM君のお母さんの
元にいくとMくんのお母さんから
「先生!合格してた!!」
4月から高校生
○○高校に通うことになる」
と..
なんと嬉しいM君の高校合格報告でした
それを聞いた時に、共にお母さんと
喜び合いました
それが嬉しくて嬉しくて
その合格発表を1番に私の元へ
知らせてくれたお母さん
Mくんおめでとう!!
当時のM君のできるようになった事を
2人で喜びあっていた事を思い出しました
同じ感覚で再び嬉しさを共に
感じている事
嬉しかったー
保育士最後の年に嬉しい
プレゼントでもありました
M君が妹ちゃんのお迎えの時に
「M君おめでとう!!」
と伝えると
M君からは
「先生、おめでとう」
と逆に結婚のお祝いをしてくれましたw
M君がいたから今の私がいる
M君のお母さんがいたから
今の私がいる
それが今こうやってブログで
いろいろな事を書いているのも
当時経験したことがあったから
感謝の気持ちでいっぱいです
MくんとMくんのお母さんが
いてくれたから私は成長できました
そんな事を思い出した今日
4月からはもうM君は高三
月日は早いなぁ
そして、M君のこれからの人生が
楽しみだなぁ
いろんな道があるけどMくんの
桜色の人生になる事を願って♡
この想い届くといいな