脱ウィッグして初めて昨日美容院に行きました。
美容師さんは、7年来の知り合いで、ずっとずっと私の髪の手入れをしてくれていて、闘病中のウィッグの手入れもしたことがないと言いながらもしてくれていました。
病気をする前は3週間に1度美容院へ行き、ロングヘアーだった私は毎回ヘッドスパにトリートメント、カラーをしていました。
2年6ヶ月前、突然の癌宣告…。
抗がん剤治療を余儀なくされ、大切にしてきた髪を失うことになりました。
いつも髪の手入れをしてくれてきた彼女に話すことに、少しだけ心の整理が付かず躊躇している自分があの頃はいましたが、髪を失う前にこのロングヘアーを切ってもらうのはやっぱり彼女しかいないと思いLINEをしました。
「○○さん。いつもありがとう。話さなければいけないことがあって、連絡しました。」
「どうしました?次の予約はもう取ってますよね?」
「実は、乳がんになりました。抗がん剤治療をしないといけなくなり、○○さんに大切に手入れして頂いていた髪を全て失うことになります。次の予約は、治療が終わって髪がまた伸びる前の最後のカットになるのでばっさりいっちゃって下さい。」
と…。
彼女は自分が泣くのはおかしいかもしれないけど、涙が止まらないと泣いてくれました。
その時、彼女が言った言葉は
「必ず乗り越えて、また私にhimawariさんの髪の手入れをさせて下さいね。いつまでも待っています。」
と。
その言葉に、私も癌宣告を受けたばかりで気持ちの整理がついていませんでしたが、「必ず。約束します。」と返信したのを今でも覚えています。
そして、2年6ヶ月の月日が経ち、今やっとその約束を果たせる日が来ました。
2年6ヶ月ぶりに私の髪にハサミを入れる彼女も、彼女にハサミを入れてもらう私も、目を潤ませてその時間を過ごしました。
2年6ヶ月前は、そんなこといつもの日常で、髪を切ることくらいで涙が出るなんて、想像もしていませんでした。
癌闘病中の患者さんの看護をたくさんしてきましたが、そんな思いで過ごしていたことまでもは、あの頃の私は想像できない看護師でした。
やっとやっとこの時がきた。
長かった。
がんばった。
私の大切な髪の毛…。
もう失いたくない。
そして、ずっとずっと支えてくれて、待っていてくれた美容師さん…ありがとう。
いつかまた、当たり前のように髪を切るようになるかも知れません。
でも、この日のこと、2年6ヶ月前の髪を切った日のことは絶対に忘れないと思います。