時計の針は12時で重なり、公務員がサビルロウで政権評論を呟いてた。変色したレシートが真昼の熱に歯向かってグルグル回転してた。一人のフリーターがマンチェスターの隅っこでウトウトして、夢の世界に足を踏み入れた。結局また俺はその辺に寝転がって、グッタリした身体をアスファルトの上に伸ばした。


かつて友達だった奴等は俺をバカにして嘲った。奴等は高慢に走り去った。振り返る事も休憩する事もなく、海の向こうの濃密な霧の中へ溶けていった。奴等は渓谷や国境をウンザリするほど乗り越えて、遥か彼方のエキゾチックな街並を旅した。凄い事だ。永遠に続く坂道を選ぶ革命家たち。


バカにされて、罵られたから、せめて立ち上がろうとしたけど、俺の足は少しも動きはしなかった。俺は浅はかな敗北感の奥底にダイブしたんだ……あまりにも繊細な感情の向こう側に。


陽光で切り取ったビリジアンのシルエットの安らぎが、遠慮がちに俺の魂に地図を書いた。何を目指して旅立ったのか分からなくなってしまった。たぶん少しの反抗もしないで、過去と未来が織り成す地下迷路に音楽を預けた。


そして、眠りの国から舞い戻って両目を開けた瞬間、お前がそのメロディーを俺の夢に注いで、俺の前に座ってるのを知った。ガンダーラは遠すぎてなかなか終わりが見えない事を、そして、お前の城まで行くには全てを失う覚悟が必要な事を、あんなにも心配してたのに。