この歌を、この人を知ったのは1982年。

1982年の僕たちは高校3年生だった。

 

「遠くに行かないで」

君の願いを叶えて、僕と君は地元で就職することに決めた。

この時に自分の思いのままに

北海道の大学へ行っていたら

いま僕は、どんな暮らしをしていたんだろう。

僕は君を僕が幸せになるための人とは考えていなかったから

遠く離れても僕の気持ちは君から離れることはないのは判っていた。

君はきっと、そういう考えではなかったのだろう。

自分を幸せにしてくれる強い人を求めていたんだろう。

 

「あなたはもっと成長してもよかった」

最後にそう言われた。

 

「僕の成長を止めたのは君だよ」

口には出さなかったけれど僕はそう思った。

君が「側にいて欲しい」と言うから、

自分の進路を諦めたのに。

 

いま思えば、君はずいぶんと勝手な人だったように思う。

自分の幸せだけを考えていたのだろう。

僕は君が幸せになるための道具じゃない。

 

君から離れた僕は、

自分のもてる力を発揮できるようになって

新しい職場で高い評価をしてもらい、

相応以上の豊かさを手に入れた。

 

僕の幸せは、ただ、

君といつまでも一緒にいることだったように思う。

 

妻は何も要求しない。

与えられたものでやろうとする。

僕を変えようとしない。

会社を辞めて起業するときも

何も言わず、一緒に行動してくれた。

 

この違いは何だろう。

たぶん今の僕は、とても幸せ者なのだと思う。