◎前回のお話





『次は汐留だって』


二次審査からすぐに三次審査の連絡が来た。


『え!?』


簡単には受からないと言われていた為、とてもびっくりだったしだんだんとゾワゾワと言うか落ち着かないような気持ちになってきた。


自分が思い描いていたテレビの仕事へのスピードが早過ぎて…


仕事をいただけるチャンスが来ることはとても嬉しかったが、活動をするとしたら希望は息子が高校を卒業してからと考えていた。


この時、私は34歳。

息子が高校を卒業する時は36歳。


あと2年…
ここまでは普通にお母さんとして生きていけると思っていた。


三次審査か…


嬉しい気持ちとどうしよう…と思う気持ちが混在していた。




三次審査の為、またすぐに東京へ出た。


汐留にあるクリニックで健康診断だった。


運動が出来るか、ダイエットに耐えられる体力があるか。


クリニックに着くとスタッフさんが待っていた。


二次審査の時にいた女性のスタッフさんだった。


『よろしくお願いします』と頭を下げ、一緒に中に入った。

血液検査や心電図…一般的な健康診断を次々と受けていく。

途中カーテンの向こうにぽっちゃりした女性が見えた。


あ、あの人も選ばれた人かな?


と思ったが話は出来なかった。


スタッフさん的には撮影時が初対面にしたかったのかもしれない。



まー…とはいえ


受かるとは限らないわけだし。


私なんかよりもっといい人がいるでしょ。


全ての検査が終わり真っ直ぐ地元に帰っていく。


仕事、オーディション、仕事、オーディション…


ドキドキする一週間を過ごし次の休みは絶対に日光にドライブに行こうと決めていた。


この頃の息子は休みはバイトか友だちと遊ぶ日々。

とても安心していた。


勉強はムラがあり、出来るもの出来ないものがあってもしかしたらたまたま当たった程度なんじゃ?と思いつつも


友だちと楽しく過ごしている様子を見るだけで嬉しかった。

やっと安心できる場所を見付けた息子を見れた気がした。


息子が受け入れてもらって私からだんだんと離れていく。


ちゃんと親離れ出来ていることに安堵した。


自立する為に必要な第一歩をちゃんと進んで行けている。


私がいつまでも心配していたらどうだったんだろう…。


ある意味、息子だけに精神を集中しなかったことがよかったんだなと今でも思う。



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