「川崎中1殺害事件」については、2月25日にブログテーマとして取り上げました。

 その後、容疑者の少年3人が逮捕され、捜査情報や事件の背景、加害者・被害者の情報等が、テレビや新聞、雑誌、そしてネットやツイッターなどで流れています。


 私なりに、(あまり報道されていない部分も含めて)情報を整理して紹介し、「事件の闇に潜む問題点」について、テーマ別に考えてみたいと思います。


  まず1番目は、「不登校・いじめ」の問題です。

  今回、殺害された上村遼太君(13歳)は、今年1月から通っていた中学校を不登校になっていました。

  遼太君本人は、学校では人気者で学校に行きたかったのですが、殺害した不良グループ(17歳~ 18歳)に、「学校へ行くな。」と脅されていたそうです。

  学校が、不登校というサインを見逃さず、遼太君を不良グループから救えなかったのでしょうか。

 担任の先生は、家庭訪問を5回、電話も34回かけたが、本人には会えず、電話で直接話せたものも1回だけだったそうです。


 一方、川崎市議会では、市議会議員の「放置していたのか?」との質問に、川崎市教育委員会は「不登校が続いている認識はなかった。甘かった。」と答えています。
 1ヶ月以上も学校を、病気やけがでなく休んでいる生徒について「不登校の認識はなかった」というのは、どういう認識なのでしょう。


<写真: 上村遼太君の通夜に参列する中学校の同級生>


 いじめと不登校の問題は、実は容疑者側にもあります。
 不良グループのリーダーで、遼太君を殺害したと見られている18歳の容疑者Aも、中学校の時にいじめがきっかけで不登校になりました。


 Aは、中学校卒業後は定時制高校に通っていましたが、通りすがりの中年男性の頭を鉄パイプで殴った事件で、鑑別所送りとなり、高校を中退しています。


 Aと一緒に逮捕された、B(17歳)とC(17歳)をはじめ、Aがリーダの不良グループのメンバーの大半は、不登校またはその経験者で学校を退学した少年・少女だと伝えられています。

 
  いじめと不登校が、この事件の被害者・加害者双方にあったことは、不登校気味の身内がいる私自身にも、身につまされる問題です。
  文部科学省もこの問題を重視して、1週間以上の不登校の生徒・児童の全国一斉調査をしているそうですが、ぜひ解決策を示してほしいです。


<写真:殺害現場となった多摩川河川敷(神奈川県川崎市)>


 2番目の問題は、「川崎国(疑似イスラム国)ごっこ)」です。
 
 

 Aがリーダーの不良グループでは、「川崎国」と言われていたとの噂があります。その真偽はともかくとしても、今回の川崎小1殺傷事件の加害者が、「イスラム国」のネット画像の影響を受けていることは明らかです。

 いくつか例をあげてみます。

・ 首をナイフ(カッター?)で殺傷
・ 遺体の膝に擦り傷があり、跪(ひざまづ)かせて殺した可能性がある
・ 「火」を使って服を焼却
などに、イスラム国の影響が見られます。
 
 さらに、「Vine(ヴァイン)」と呼ばれる、高校生など若者に人気の「6秒動画投稿サイト」に、犯人グループが上村遼太君の殺害映像を投稿したのではないかと思われる痕跡もあります。
 これらは、ネット動画サイトの悪影響のような気がします。


 一方で、「川崎国」があれば、それに対抗する勢力もあったようです。


 今年1月、上村遼太君が5歳も年上のAに、横浜市内で顔がパンパンに腫れるまでボコボコに殴られたのを、遼太君の友達が知り、兄の友人に相談したそうです。
 


 この話を聞いたAと同学年の先輩を中心とするグループ(正義の味方?)の数人が、2月上旬頃、Aの家へ押しかけ謝罪するように求めました。
 しかし、Aには直接会えず、Aの家族が警察を呼んで追い返したそうです。


 この事件で、「カミソン(上村君のニックネーム)がちくった」と勘違いしたAが、上村遼太君を殺害したいうのが、もっとも有力と言われる動機です。


 ちなみに、あまり報道されていませんが、上村遼太君が殺害された前日(2月19日)に、横浜市西区の野毛山公園のトイレで、中学2年生(14歳)の男子が暴行され、意識不明の状態で発見されました。

 この男の子は、実は遼太君のバスケ部の先輩で、遼太君が相談した友達だという情報があります。
 この事件は、今回の上村遼太君殺害事件と、関係ないのでしょうか?


<写真:日本の夕日百選「国賀海岸のローソク岩から見る夕日」(島根県西ノ島)>



 上村遼太君は、島根県隠岐諸島の西ノ島にある小学校で過ごし、お母さんと兄弟が川崎市へ引っ越す時、「この島に残りたい。」と希望したそうです。

 もし、西ノ島に遼太君が残っていたら、あるいは川崎市に引っ越してもAのグループに入らなかったら、と思うと残念でなりません。

「川崎中1殺害事件」については、「実名報道とネット復讐」をテーマに、もう1度、取り上げたと思っています。

 今は、上村遼太君のご冥福を祈るばかりです。