…あるスキルの誕生に於いて、グラディエーター達の凄惨な歴史を象徴する、こんな逸話が残されている。
…口伝の為、確たる証拠や文献は遺されていないではあるが、
スルビニア帝国で開催された「コロッセウム」に於いての、ある闘いが、そのスキルの始まりとされている。
…その日、「剣闘士」達は、異国の蛮族の装備を着せられ、闘技場に放り出された。
剣闘士達に合対するは、帝国軍の人工兵団部隊。
今回の死合いは、人工兵団部隊が蛮族達を掃討するという、過去の帝国の史実を再現したものだったのである。
…シナリオ通りならば、剣闘士達は全滅させられる予定であった。
だが、そんな茶番を不服とした、1人の剣闘士が、最後の最後まで足掻いてみせたのである。
…彼は、味方の剣闘士達を助ける為、自ら、人工兵団の前に立ちふさがった。
彼の闘いは、まるで闘神オリティウスが乗り移ったかのような、鬼気迫るものであった。