◇「剣闘士」とは
…時代は、数世代前まで…パルルが共和制を敷く、更に遥か昔にまで遡る…。
ダルカン公国が繁栄の極みにあり、
ミスルナでは各部族が群雄割拠に明け暮れていた頃……
ヒューム族が社会の中心を担う、パルル王国とスルビニア帝国は、
自国の領土を拡大する為、未開拓な土地に侵攻しては、少数民族、別種族を討ち滅ぼしていった。
滅亡した各国の領民は「奴隷」として捕縛され、新領土の開拓などに使役され、
時には、新たな領土拡大の戦争に、使い捨ての尖兵として駆り出されたりもした。
奴隷制度というシステムが生み出す経済効果は、国の総生産を左右する大事なフィクサーの1つとなった。
農業や林業のみならず、あらゆる産業に欠かせない、大事な労働力となる奴隷を獲得するために、各国は挙って、更なる侵略に明け暮れることになる…。
そんな社会情勢の中から、
都市部に住まう貴族や上級市民、裕福な大商人を中心に、奴隷を使った、ある催し物が誕生した。
彼らは、自分達が抱えている「奴隷」たちを戦わせ、その勝敗に賭博要素を掛け合わせて、
一つの「娯楽」を生み出したのである。
それが「闘技場」の始まりであった……。
糸売。