概要

体長3m以上になり、世界最大の淡水魚。ただしメコンオオナマズヒマンチュラ・チャオプラヤ、海水域にも分布するオオチョウザメを最大とする研究者もいる。進化において1億年間ほとんど姿が変わっていないと考えられ、生きた化石とも言われている。

特長的な形態や大きさから水族館などでも人気がある。

形状

成魚の体長は2mから3m。最大のものは4.5mとも5.2mともいわれるが信憑性が低い。丸太のような円柱系の体形をしているが、頭部は横に、尾は縦に平たい。腹びれ背びれ尻びれ尾びれは体の後半部分に集中してついている。体色は黒から銀色まで個体差があり、成魚では体の後半部分が赤くなるのが特徴である。現地名の「Pirarucu」という名前も、現地のインディオの言語であるトゥピ語で「魚」を意味する「Pira」と、その実から化粧に用いる紅い色素を採取する「Urucu」という植物の名を合わせたもので、「紅い魚」の意味である。

口は大きく、舌にはたくさんの突起がついたおろし器のような硬い骨が通っている。アロワナ科魚類の古い分類名「コツゼツ(骨舌)科」はここに由来する。また、円形のうろこも硬くザラザラしており、成魚で直径10cmほどもある。

人間との関係[編集]

生息地では重要な食用魚としてアマゾン先住民により古来から漁が行われてきた。漁は主に大きなピラルクーが息継ぎのために水面に浮上してくるところを突きん棒()で突いて漁獲するもので、個体数の減少により、ワシントン条約による保護動物に指定されているが、アマゾン川流域の市場ではピラルクーの肉が食用として高価で取引されるため、伝統的な漁獲は続いている。塩漬けで保存されて祝いの席などで供されることが多いほか、大きなうろこは靴べら爪やすりにも使われた。

ピラルクーは肉食性だが、前述のように主に小魚を食べる魚食性で、人間を襲うことはない。しかし、身の危険を感じると勢いよく水面から飛び出すため、カヌーボートに当たって転覆させる、体当たりされた人間が重軽傷を負う(最悪の場合は死亡する)などの事故が多い。

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