死亡に関連して
生じる手続きのひとつに
相続がある。


税務署に行って
相続税等の申告をしてくださいと
市役所から言われたので


何の予備知識もなく
行ってみた。


行けと言われたから
行ったのに


行くといきなり
「完全予約制」のポスターが
デカデカと貼られている。


そんなポスター無視して

ズカズカ入っていくと



パートタイマー風の女が
わたしをみて

ギョ!!っとしている。




【ぴーこ】
「完全予約制」のポスターをみて
入ってきましたが、予約してません。
今日の枠はもう、いっぱいですか?



【パートタイマー】
はい。今日はもう・・・はい。



【ぴーこ】

じゃあ、いつなら

いいんですか??




【パートタイマー】

基本的に電話相談になっておりまして

お電話で解決しない場合に

こちらで相談に応じています


まずはお電話で相談してみてください。




仕方なく

帰ろうとすると




呼び止められ



「こちらにどーぞ」と
小さな電話ブースに
案内された。



ここから電話して
あちらに
かけてくださいという。



見ると
カウンターの向こう側で
担当者がこちらを見ている。



【パートタイマー】

受話器を上げて①を押してください。




と言われたが



間違って③を

押してしまったため



わたしが
バタバタしていると


鳴るはずの電話が

鳴らないと



心配した担当者が

わざわざ

電話ブースに来てくれた。



もう一度
電話のかけ方を
教えてくれる。


「でわどーぞ」と

合図があったので



わたしが

①を押すと



「はい!こちら、〇〇税務署です」と
ようやく電話がつながった。



【ぴーこ】
あのー。父が亡くなりまして・・。
市役所から税務署に行けと
言われたんですが、
ここで何をすればいいですか?



【電話相談員】
法定相続人は何人ですか?



【ぴーこ】
法定??たぶんですけど、
母と私と妹の3人だと思います



【電話相談員】

3人ですと・・・(計算している)

4800万円以上の

遺産はありますか?




【ぴーこ】
そんな大金!!ありません。



【電話相談員】
それでは、申告も納税も
必要ありません。



【ぴーこ】
へ???
相続税はいらない??
という事ですか?



【電話相談員】
はい。そうです。
お疲れ様でした。



【ぴーこ】
ありがとうございました






税務署に

バレないようにと

願いながら



コソコソと
銀行に行っては


少しばかりの
父の預金を
引き出していた私は


いったい
なんだったんだろう。