とまぁ書いてまいりましたが、今回の宙博で一番楽しみにしていたのが地下2階のサイエンスホールで開かれていたレクチャー。

僕が聴講したのは

30日(土)
15:05~
「日本が切り拓く宇宙大航海時代 ~IKAROSが切り拓くソーラーセイル技術~」
津田雄一先生

31日(日)
10:10~
「リチウムイオン二次電池の現状と将来展望」
吉野彰先生

11:05~
特別対談「科学とは」
益川敏英先生・杉山直先生

12:50~
「宇宙に終わりはあるのか」
村山斉先生

13:50~
【はやぶさ特集 第1部】「宙(そら)から空へ~『はやぶさ』との歩み~」
川口淳一郎先生

14:50~
【はやぶさ特集 第2部】「『はやぶさ2』が目指す宙(そら) ~さらなる挑戦とその可能性~」
吉川真先生

の計6本。
久しぶりに必死でノートとったぁ(笑)

どれもこれも大変興味深くて、知的好奇心を刺激されて、本当に面白かった。
ノートにとったこと全部はとても書ききれないっす(笑)

そうさのぉ…。
やはり一番印象に残ったのはあれかのぉ…あれもだなぁ…あ、あれもだ、あれもあれも…。
と言う訳で一番なんて決め付けられん!www

順番に言うとイカロスのお話はいろんなお宝映像も見せて頂いてとにかく笑いながら楽しくいろんなことを教えて頂きましたよ。
あのね、イカロスの帆を広げる実験ってのが本当に大変で。
スケートリンクで本体をグルグル回しながらキレイに開くかの実験映像を見せて頂きました。
実験のNG特集(笑)
いや、ホント大変だなぁと笑いながらも納得。
2回のNG動画の後にOKだった実験の動画を流していただいたんですが、ね。
「やはり成功したやつはつまんないですね、アハハハハ」って津田先生本人が笑うんだもん。
つられてこちらも大笑いwww

リチウム電池のお話は、相当固いお話なのかと思ったんですがね。
いや、吉野先生のお顔が結構いかめしい感じだったもので、余計になんか、ね(笑)
すごく分かりやすく説明していただいたのですんなり聞くことが出来ました。
この文学部文学科卒の男が(笑)
もう少しリチウム電池のコストが下がれば、深夜電力を無駄に放出せずに貯め込んで昼間の使用に回せるようになるそうです。

面白かったのは益川先生と杉山先生の対談。
まず言うとね、僕、ノーベル賞を受賞された方を生でみるのって生まれて初めて!
で、この益川先生と杉山先生がすごく茶目っ気のあるお二人なので、笑いの絶えない対談に。
「科学とは」という問いに対して益川先生が答えた言葉が
「遊ぶこと。そして飯のたね」とあっさりとでも含蓄のあるシンプルな言葉で答えてこれが対談の口火。
「僕は今回、益川先生の話を引き出す役どころ」という杉山先生のMCっぷりがまた見事で。
本当に面白かった。
あ、豆知識も教えてもらった。
名古屋の鶴舞というところ。
どうでしょう藩士のメッカ・ラディッシュがあるところとしても有名ですが。
本来は「つるまい」ではなく「つるま」と呼ぶらしいです。
「JRが勝手に看板に『つるまい』って『い』を付けたんだ」と生粋の名古屋っ子?の益川先生が仰ってましたよ(笑)

入れ替え制だったので、一旦ホールを出て会場を回ってもう一回ホールに入ったら大混雑で。
そんな中伺った村山先生のお話がちょっと衝撃的。
せいぜい、ややもするとカール・セイガンの「コスモス」あたりの知識で終わっている僕ですが、宇宙ってのは膨張してるけど、ある一定の時期から縮むんじゃないかって説があることは知ってましたがね。
これが調べたら、膨張の速度が落ちて萎みに入るどころか、137億年たってるのに寧ろ膨張のスピードが速くなってるそうで。
と言う訳で、この先どうなるか分からないけど、このまま膨張の速度が益々早くなった場合にビッグバンならぬ”ビッグリップ”という現象が起きるかもしれないそうで。
全部がバラバラに引き裂かれて素粒子のレベルにまで分解されるそうです。
”無”に限りなく近いってことなのかなぁ。
まぁ起きたとしても2千億年後の話だし、だいたいその前の50億年後に太陽が膨張して地球を飲みこむらしいからそっちの方をまず何とかしないと。
っていうか、50億年後も人類がいるのかって話なんですけどね(笑)

そしてある意味、一番聞きたかった川口PMのお話。
こちらも初の生・川口先生。
喋り方、というかプレゼンが無茶苦茶ウマイ!!
やはり、はやぶさに起こったいろんなトラブルと、その実施された回避策のお話をPM(プロジェクト・マネージャー)ご本人から伺うというのは、なんとも感激!
最後の方はね、また今年6月13日の再突入を思い出して、ぐっときたっす。
燃え尽きる直前の写真を見ながら
「この明るいところがキセノンガスのタンクで、こちらとこちらが太陽パネルで…」なんて説明されると、そこでまたブワっとこみ上げてくるものが…。
あとね、NASAは今回のはやぶさのサンプルリターンをどうやら世界初ってみとめてないってさぁ~!
だからはやぶさみたいな計画を「世界初の試み」として提出するつもりなんだってさぁ~。
米国、やはり『世界一』という冠に対してはお金を惜しまないそうです。
だからやはり2番目じゃダメだということでした。

そして『はやぶさ2』。
こちらも貴重な動画を見せて頂きましたよ。
と、その前に。
吉川先生がおっしゃったことで印象的なのは
「『はやぶさ2』、打上げが決まっても、『はやぶさ』の時ほど盛り上がらないと思います。
普通に小惑星に行って、何のトラブルもなく普通に帰ってくる。
はやぶさが積み上げてきたものを活用して確立させるのが『2』の仕事。」
といった内容のことば。
カッコいい。
その通りだと思います。
で、『2』なんですが、サンプル回収のため、目的の小惑星の上空で爆発を起こしてわざとクレーターを作って。
地下のサンプルを取り出すってことをしますが、ね。
案には衝突用の衛星をもう1機飛ばして、この特攻用衛星で3、40mのクレーターを作ろうって方法も考えたとか。
そのCG映像を見せてくれました。
ただ、コストの問題と、小惑星への汚染度合を考えて小さい爆薬をつかっての小さいクレーター計画になったとのこと。

あと、はやぶさ→はやぶさ2→はやぶさMk2(マーク2)の話とかマルコポーロ計画(欧州との共同。ただし予算の都合でほぼポシャったとのこと)の話とかも聞けて嬉しかったぁ。

あ、すごく長くなっちゃった(笑)
そんな宙博の楽しかった二日間でしたよ!
もう寝る!!