「ローマの休日」など数々の名作を生んだ脚本家ダルトン・トランボの波乱万丈な人生を、ブライアン・クランストン主演で描いた伝記ドラマ。
トランボを演じたクランストンが第88回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた。
共演に「クィーン」のヘレン・ミレン、「マレフィセント」のエル・ファニング、「運命の女」のダイアン・レイン。
「ミート・ザ・ペアレンツ」のジェイ・ローチ監督作品。
脚本家トランボはハリウッド黄金期に第一線で活躍していたが、冷戦の影響による赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだために投獄されてしまう。
釈放された後もハリウッドでの居場所を失ったトランボは、偽名を使用して「ローマの休日」などの名作を世に送りだし、アカデミー賞を2度も受賞する。
逆境に立たされながらも信念を持って生きたトランボの映画への熱い思いと、そんな彼を支え続けた家族や映画関係者らの真実を描き出す…。
ハリウッドの赤狩りは有名。カーク・ダグラスなど実名や作品名がたくさん出てきて映画好きならそれだけでも贅沢。
また、カーク・ダグラスがプレゼントしたオカメインコのサミーがかわいい。
ま、それは良しとして。
赤狩りの裏側を、ほんと丁寧に描いている。
ダルトン・トランボは、ジョン・ウェイン達、保守派と対立しても屈しない共産主義者だった。
しかし、最高裁判事の死去交代でマッカーシーの赤狩りが進み、逮捕・収監されてしまう。
収監された先では、労働奉仕に従事させられ、黒人に使われるトランボ。
刑期を終えると、かつて書いた王女様の恋愛映画を友人の名義で発表する。
さらに、B級映画会社で、安い脚本を書きまくる。すると友人名義の「ローマの休日」がオスカー受賞に至るのだ。
非米映画委員会の活動に翳りが見え始め、「黒い雌牛」でトランボは受賞を果たし、名前を明かす。
反対派の議論を押し切り、カーク・ダグラスから「スパルタカス」の仕事を、オットー・プレミンジャーから「栄光への脱出」の脚本を発注されるに至る。
しかし、名前を隠し仕事をして復活出来た彼とは違い、エドワードGロビンソンは復活することはなかった。
シーンでは、風呂で本を書く場面がすごくいい。
しかし、映画としては普通かな。
ただフォローしておくと、歴史的背景に胸が打たれます。
星5つ満点の3.5です。