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まずはタイトルコール!

上方落語『笑うてなんぼ』

落語にはさまざまな知識や感性によって楽しめるように、いく層もの面白さが仕掛けられていることがあります。

こういったポイントをご紹介出来たらと思います。

今日は

『東の旅〜落語の酒〜』

先日から、東の旅を紹介しています。

清八と喜六の両名は大阪、玉造を出て奈良入りして、奈良の名所を巡り、東へと向かい街道筋の野辺へ出てきました。

煮売屋に立寄って煮売屋の店主とやり合います。腹いせにイカの木の芽和えを持ち逃げしバチが当たったのか七度狐に騙されます(笑)

上街道・初瀬街道では、造り酒屋で、「うんつく」の詭弁で命拾いをしました。

思いがけない関所では、寄席で噺家から学んだ都々逸で難なく通過するも煮売り屋で「こいつぁいい」の禁句で喜六がお縄になる一幕もありました

いよいよ伊勢参宮街道に入って、馬方をからかいながらの入り。

いよいよ伊勢に到着しました。

いろいろあった往路ですが、まずは無事に到着して何よりです

さて今日は、旅には欠かせないお酒の話です。

古典落語に欠かせないアイテムのひとつに日本酒があります。

落語『二番煎じ』『禁酒関所』『上燗屋』など、酒の登場する噺は挙げ出したらきりがありません。

そこでは、さまざまな呑兵衛が個性的な醜態で笑わせてくれるのですが、彼らが嗜む酒の銘柄については意外に明示されません。

私の知る限りでは、上方落語『淀の鯉』のセリフ「京の伏見屋の銘酒・白菊と違うか？」だけで、これなどは珍しいのです。

紹介してます東の旅『煮売屋』にはお酒として「村さめ」「庭さめ」「直さめ」が揃えられてます。

しかし、「村さめ」の名の由来は『店で呑んでも村を出る頃には醒める酒』、「庭さめ」は『店から庭へ出たとたんに醒める酒』、「直さめ」は『呑んだ尻から醒める酒』という代物ですから、これはお酒の銘柄とは言いにくい。

ちなみに二軒茶屋では清八と喜六も見送りの連中と「す（酸）いい酒」を飲み交わして別れました。

酸いい酒とは、甘口辛口までいかない、酸っぱい安モンの酒のことでした。

『青菜』の隠居が植木屋に勧める「柳陰(やなぎかげ)」も、味醂と焼酎のブレンドで、夏の冷用酒として好まれましたが、やはり酒の銘柄とは言えません。

江戸後期の風俗書に、「剱菱」「七ッ海」「紙屋の菊」「三鱗」や「正宗」などを銘酒として挙げていますが、落語には出てこないです。

(と思います💦)

それは、当時の庶民が、基本的に地産地消の地酒を飲んでいたことによるのでしょう。

灘や伊丹、池田から江戸へ舟運された「下り酒」は例外として、日常的には町村内の地酒を量り売りで買い求めていました。

現代の灘や伏見の大酒蔵ではなく、家内手工業的な酒造も少なくなかったのです。

それでも大阪、天満堀川の川岸には酒造家が建ち並び、酒造りの季節には、洗米による白水のため、堀川は真っ白に染まったと伝えられています。

『七度狐』に騙されて大変な目にあわされた二人、『うんつく酒』では造り酒屋であわや命を奪われそうになりました💦。

『三人旅浮乃尼買』では宿泊客が、同行人に

酒塩（料理に使う塩で味を整えた酒）を飲ませています。

意外と「東の旅」のどの話にもお酒が出てきますねー。

東の旅続きはどうなることやら(笑)

お楽しみに。

笑うてなんぼです。♪(^ー^)ノ

ではまた次のブログでお会いします。

馬も人も能力重視!(上方落語『笑うてなんぼ』１７)