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「1000回記念企画」
==== 落語の使い方編 ====
私事ですが、ブログをはじめて先般1000回目を迎えました。٩(๑>∀<๑)۶
当初そんなに続けられるとは思いませんでしたので、当の本人が一番驚いております。(笑)
さて、記念企画として、私の愛する落語。そして私を落語ファンにした、桂米朝師匠の大ネタを文字に起こしておこうと思い至りました。
長編ですので、何回にわかれるか分かりませんが、どうぞお付き合い願います。
『地獄八景亡者戯』
閻魔の庁の正門のほぉへゾロゾロゾロゾロと集まってまいります。
タイミングよく閻魔大王の裁きが行われた。
【本日は先代閻魔の一千年忌に当たるゆえをもって、格別の憐憫を持ってみな極楽へ通しつかわすぞ。
あとから名前を呼ぶ者だけは残れ。】
という事で
医者の山井養仙(やまいよぉせん)
山伏の螺尾福海(ほらおふっかい)
歯抜き師の松井泉水(まついせんすい)
軽業師の和屋竹の野良一(わやたけののらいち)
の四名が残された。
【⠀ほかの者はみな、極楽へ通ってよろしぃ!】
「わぁ~~ッ٩(๑>∀<๑)۶」
。。。。。。
軽業師
『もし、何でわたしらだけ残されましたんやろなぁ?』
山伏
「心配なことはないと思いまっせ」
『そぉかい?』
「はぁ、あんなもん大丈夫や。見てみぃ機嫌よろしぃがな「お前ら面白そぉなやっちゃ、これから一杯呑みに行こか」とか 」
『そんなアホなこと……、閻魔はん戻って来た、お辞儀せぇお辞儀せぇ。』
閻魔大王
【⠀あぁ医者の山井養仙、面上げぇ。そのほぉは未熟なる医術を用い、助かる病人まで多数殺してしもぉた。また、健康保険不正受給や脱税行為を繰り返した咎(とが)により、お前は地獄へ落としてやる、よいか。 】
【⠀山伏の螺尾福海、お前は加持祈祷をするなんぞと称して、怪しげなる詐術を行い、金銀をむさぼり取ったる段、咎軽からず。お前も極楽へ通すわけにはいかん。⠀】
【⠀歯抜き師の松井泉水、お前は居合い抜きをしたり独楽を回したりして人を集め、ちょっとも効かぬ歯痛の薬とか、虫歯を抜いてやると言ぅて、丈夫な歯まで抜いて金銀をむさぼった。その咎軽からず、お前も地獄へ落としてやる。⠀】
【⠀あぁ軽業師の和屋竹の野良一、お前は諸人の頭の上にて、ハラハラする業を演じて、見る者の寿命を縮めたる段、咎軽からず…⠀】
軽業師
『そんなアホなこと言ぃなはんな、わたい商売でんがな〜!』
【⠀黙れ! それ、鬼ども、この者どもを熱湯の釜へたたき込めッ!⠀】
★はは~ッ……。さぁ、この中へ入れ~ッ!
『わ~ッ、これが熱湯の釜でやすか!。
見てみなはれ恐ろしぃなぁもし、湯玉がチリチリィ、チリチリィちゅうて走ってまっせ。
こんなとこへ足入れたらジュ~ッちゅうて溶けてしまうがな。どぉしたら……』
★さぁ、入れッ!
『ちょっと待ちなはれ、大きなフォークみたいなんでケツ突いてまっしゃないか鬼が……。
入れるかいな〜』
山伏
「待て待てまて、ここはわしに任し!」
『あんた何や?』
「わしゃ、山伏や。そら悪いこともしたけどなぁ、これでもお山に篭ってちゃ~んと修行してきた。ここでわしが水の印といぅのを結んだら、こんなもん日向水になってまうねん。」
『ホンマか?』
「大丈夫、ちょっと待ってなはれや……、チチンプイプイ、チチンプイプイ、ん~~んッ、エイッ! もぉ大丈夫や手ぇつけてみ」
『もぉえぇか? まだ熱つそぉな…』
「大丈夫や、手ぇつけてみ?」
『ホンに、こら入り加減やでおい。入れ言わんかて入るわいな。あぁありがたいなぁ、いやわしゃなぁ、ひと風呂浴びたかったんや。』
『うちの嬶(かか)ズボラなやつでなぁ、湯灌(ゆかん)もせんと棺桶へ放り込みやがってな、どっかで浴びたかったんや。こらえぇ具合やなぁおい、ちょっと鬼さん、ちょっと石鹸頼むわ
「気持ちんよか♪」 』
★あんなこと言ぅとぉるで、おい……
。。。。。。
★閻魔大王に申し上げます
【⠀何といたした?⠀】
★あの亡者連中、熱湯の釜へ放り込んだところが、山伏が水の印とかいぅやつを結んだら日向水になってしもて、みな風呂へ入ったよぉな気になってまっせ
【⠀けしからん亡者め、熱湯の釜より引きずり出し、針の山へ放り上げぇ!⠀】
★ははぁ~ッ……
。。。。。。
★さッ、今度はこの山へ登れ
「うわぁ、これ針の山やがな。見てみなはれ、裾から天辺までびっしりと!。
足乗せたらグサッと刺さって抜きも差しもならんよぉなるがな〜」
★登れッ!
「登れるかいな、こんなところ!」
軽業師
『ここはわいに任せ!』
「あんた何やったかいなぁ?」
『わしゃ軽業師や。ガキの時分から修行してわしの足の裏、板みたいになったぁるわい。何やこんなもん、わしらこの上で三番叟(さんばそぉ)でも踊ったるがな』
「そらあんたはえぇわい、わしらはどぉなる?」
『かまへん、わしの体の上へ乗していたる』
「体の上へ?」
『あぁ、この上乗れ……』
「三人も乗って大丈夫か?」
『もっと乗したことあんねん。
一番小っこいやつ、背の低いやつ、首んところへまたがれ、肩くませぇ。しっかり頭押さえてぇよ。
でなぁ、二ぁり、その肩の上あがってな、真ん中のやつと手ぇ組んで首筋に手ぇ巻いて、グッと引っ張ってくれ。そうそう。
落ちたら知らんぞおい、そいでわしゃこの山、上がって行ったるさかいな!。
上のやつちょっと口上言ぅてくれ!。』
「口上? 何か、口上言わなあかんか?」
『長年の癖や、口上言ぅてもらわなんだら体動かん』
「オモロイもんやなぁ、ほな言ぅで……、東西、これより四人の亡者、針の山へと登ってまいる♪……」
「ハメモノ」
『踊ったらあかん、そんなとこで。踊るやつがあるかい!』
「東西、首尾よく頂上まで登りつめたる上からは、いよいよこれからは千番に一番の兼ね合い。千尋の谷底へ獅子の蹴落とし~ッ♪」
★大王様〜ぁ!!
。。。。。。
えぇ〜(´•ᴗ• ก )՞ ՞さて、地獄八景亡者戯長編の落語です。
始めた以上は最後まで努めさせていただきます(*^^*)
閻魔大王の裁きの場面で、『何か芸のある者は助けてやる』という事で、「手品」「落語」「曲屁」などを披露する亡者を演じるパターンが有ります。
文章にして伝えるにはなかなか難しいと思いましたので、別のバージョンで世相を折り込んだ話にしました🤣
落語通の方はお気づきでしょう!
わや竹の野良一という軽業師。
『軽業講釈』という上方落語に登場します。
「早竹の寅吉の門人という、わや竹の野良一太夫の綱渡りの曲芸が始まる……」
やっぱり旅ものですから、「伊勢参宮神乃賑(東の旅)」の影響はあるのでしょう。
鯖で当たった「喜ィ公」は清八・喜六の喜六だという説も有ります(笑)
では落語好きの皆さん、また次のブログでお会いします。