そよ風に吹かれて… -4ページ目

Arrivalのロビー


TUNNELSのまわりには、

人が集まる。

貴明の仲間意識と

憲武の友達感覚に

魅かれるのだろう。

何十回、何百回、

何千回の出会いや別れを

くり返して、

TUNNELSはずっと何も

変わっていない。

それを、優しく

見守るだけである。

「空港みたいだな」

いつか、誰かが、

そう言った。





確かに、僕も、2人に

会うとほっとするのは、

ニューヨークから

帰って来て、

成田新国際空港の

ロビーを歩いている時の

あの安らぎに似ている。

みんながどこへ

出かけようとも、

帰るべき空港は

ここにあるように、

TUNNELSも、また

かたくなまでに依怙地に

ここにいるのだ。





ある日、

新しいオフィスを

設立した2人は、

僕に名刺をくれた。

その2人の名刺には、

Arrival

というオフィス名が

書かれていた。





いつもの後藤次利に加え

鈴木キサブロー、

樫原伸彦、井上ヨシマサ

武内 亨、鴨井 学などの

新しい仲間が、

Arrivalのゲートに、

登場してくれたことが

うれしい。

今が、TUNNELSの

トランジットである。



秋元 康





TUNNELS「Arrival」より


RAIN RAIN




愛しさを

堪えきれずに

真夜中にかけた電話

アンサーフォン

受話器取らずに

聞いているおまえがいる

できるならばこの腕に

抱きしめたいけど

悲しくさせるだけ



RAIN RAIN

雨だけは

知ってるだろう

俺の心に

染みるバラード

RAIN RAIN

雨だけは

知ってるだろう

狂おしいほど

愛しているぜ

おまえに逢いたい

雨が泣いている



どれくらい

おまえのことを

待たせればいいのだろう

俺だけを

傷つけてくれ

その先が見えない愛

めぐり逢いの順番を

今さら責めても

運命は変わらない



RAIN RAIN

おまえにも

聞こえるだろう

離れていても

同じ雨音

RAIN RAIN

おまえにも

聞こえるだろう

一瞬だって

忘れちゃいない

今すぐ逢いたい

雨は止まない



RAIN RAIN

雨だけは

知ってるだろう

俺の心に

染みるバラード

RAIN RAIN

雨だけは

知ってるだろう

狂おしいほど

愛しているぜ

おまえに逢いたい

雨が泣いている



RAIN RAIN

雨の中

歩いていこう

つらい淋しさ

紛らすように

RAIN RAIN

雨の中

歩いていこう

馬鹿な男は

本気なものさ

おまえに逢うまで

雨よ降れ、降れ



SONG BY 石橋貴明



とんねるず「足跡」より

1980年から1994年まで

確かに彼等の足跡は

残っていた。



以前から、ファンの間で

「とんねるずのベストアルバムを出して欲しい」

という要望が

強くあったのだが、

2人は決して首を縦に

振らなかった。

「今までのヒット曲を集めたベストアルバム?冗談はやめてくれよ。ベストはいつだってNEXTだぜ」

貴明は、

中指を立てながら、

怒ったように

そう言った。

「別れた女たちのアドレスを一冊にまとめるような悪趣味に興味はないね」

憲武は、ケンもホロロに

背中を向け、

足早に去って行った。

それが、なぜ、

今なのか?

時代の波打ち際を

歩いて来た彼等が、

その落日の美しさにふと

立ち止まり、過去を

振り返ろうとしたのか?

あるいは、

大衆のニーズが

さざ波となって

彼等の足元に押し寄せて

いるのに気づいたのか?

僕の疑問に2人は

声を揃えて答えた。




「ラスベガスで負けちゃって・・・」