大分前になるが、私は面白いと言おうか、貴重な物と言おうか、


そんな物をある料亭で見てしまった。


60前後と見られる、小柄で痩せ型、いかにも野暮ったい男性が、70才位のお婆さんを口説いているのだ。


お婆さんと言えば、それこそもう女性としては終っている、白髪交じりのボサボサのショートカット、少し前かがみで、着ている物ときたら、てんで色気のない、年寄りじみた出で立ちで、無表情、何一つしゃべらない。


男は、一生懸命、今度良いところに連れて言ってあげるよ、ここは面白いんだぜ、こう言う物があって。


とか、また一緒に飲みに行こうぜ、とか、若い女性を口説く様な話しをしている。


そして、箸をとってあげたり、出来上がって来た料理を、食べやすい様に、お婆さんの方に向けたり、甲斐甲斐しく世話を焼いているのだ。


それから、俺はこう言う事をしている、とか女性が喜びそうな自慢話しみたいのを始めた。


お婆さんは、何の感動も無く、ただただ無表情。


認知症入ってるのか?


しかし、結構高級な料理はむしゃむしゃとしっかり食べている。


私は主人と話してるふりをしながらずっと2人を観察していたのだが、可笑しくて可笑しくて、つい顔が笑ってしまう。


どうした?主人が聞くので、あれあれって顎で方向を指すんだけれど、


何か?


って、全然反応しない。


ん、あの2人が何?


ちょっと大きい声出さないでよ。


そんな私達にもお構いなしで、その男性は、今度ドライブに連れて行ってあげるよとか、いろいろ言っている。


私もたまに、男性に食事やドライブに誘われる事があるけれど、それはある程度だが自分は女性として魅力があるからではないかと、感じでいた。


が、どうやら違っていたようだ。


明らかにあの男性はあのお婆さんと2人きりになれるような場所に行きたい感じで口説いていた。


そして、凄く嬉しそうで楽しそうだった。

寂しい人だったのだろうか?


今でもわからない。

親子とか知り合いとかって言う感じでもない。


何処かで声を掛けて連れてきたと言う感じなのだ。


あの2人はなんだったのだろうか?


男の人に誘われるかどうかは、容姿ではないのか?

ついて来てくれそうだ、が第一なのかもしれない。


とにかく女性と仲良くなりたかったのか?

ロマンス詐欺か(笑)


今でも良くわからない。