はじめての機織り体験
昨日、3月11日に、友人がその友人を伴って機織り体験に来てくれた。初めてでも、織るときにはついつい大物を作りたくなる。友人はショールを、その友人はテーブルセンターを織ったが、夕方までには完成に至らず。来週続きを織ることになった。私が初めて機織りをしたのは、何年前になるのだろう。もうかれこれ20年以上も前のこと。教えてくれたのは、地元にある牧場のそばにある別荘地に自宅兼工房をもつ某美術大学の先生だった。感情の起伏の激しい人で、他者に対しても分け隔てをするその姿勢には辟易したが、当時はまだ若かったものの、その技術は素人目にも目を見張るものがあった。その先生は羊毛が専門だった。糸も自分で紡ぎ車で紡いでいた。私も糸を紡いでみたい!と思い、初めたらはまってしまった。織るのはたて糸を整経したり、そうこうに糸を通したり、結構な気力が必要だが糸を紡ぐのはただ糸をどんどん引き出す行為だけなので、まるで瞑想の時間だった。糸を紡ぐのは本当におもしろかった。先生のせいなのか、私がだめなのかわからないがなかなか織りは覚えることができず、ひと月に1度の教室もまんねりし、そのうち先生が本当にいやになりやめてしまった。それから何年も過ぎ、今の教室に通えることになった。先生は本当に素敵な方だ。何度も何度も忘れてしまうことにも、呆れることなくつきあってくれた。失敗しても、しかられることもない。糸が足りなくなるとご自分のものをどんどん私たちに提供してくれた。仲間もたくさんいて、笑いながら織る時間は楽しいだけだ。お互いの作品を「すてき~」とほめあいながら、わくわくした。好きなことを楽しく、やりたいと思う。いとことでも、そんな時間を提供したいと心から思う。