恋心から外れるストーカー編  


第一ストーカー。

近所の20代後半のオッサン。


私が中3の秋。

「町内運動会に出てくれないか」と言ってきた。

「役員をしているが、私の年代の出場者がいないので、お願いします」との事。

出場後、お礼のお菓子を持ってきた。

会えば、挨拶して立ち話するように。


高校に入った頃から、数ヶ月に1度、「出張に行った土産」と称して、その県の銘菓を持って来るようになった。 


その年の暮、桐箱に入った〇〇焼きの高級そうな花瓶を。

「いくら何でも、これは貰えない」と母が返しに行ったら

「娘さんとお付き合いしたい」と言われてびっくり。

「娘は高校生。まだまだ男の人とお付き合いする事は出来ない」と断ったら、母親が出てきて、息子の3高自慢から、金持ち自慢。

「こんないい条件の息子と付き合えば、お宅の娘も幸せになれるのに」と言われたが、断固拒否。

「気持ち悪いので、これからは無視しよう」と決めた次の日。


部活から夜道を帰っていると、自宅近くの電柱の影にタバコを加えたオッサン。

来た道を帰って、違う道に行くと先回りして立っている。

もう1つの道も同じ。

怖くて、近くの友達の家に飛び込み、母に電話して迎えに来てもらった。


目の前を通ると「フッフ」と鼻で笑う。

それを毎日、繰り返す。


休みの昼間は、大丈夫と思っていたら、突然、横道から表れて「ワァー」と大声を出す。

「キャー」と叫んで半泣きしながら走って帰る後ろで、「あーはっは」と高笑い。


暫くして、その母親が来て

「息子は優秀なので、本社に栄転して行った。こんな良い息子を逃すなんて、お宅は残念ね」と言ったらしい。


やっと開放されたが、後、二段落ちがある。 


私の結婚式の当日。

支度の為、一足先に出たら、門の所に黒いリボンを付けた花束が。(しあわせに)と書いてある。

何がしたかったのか。


その二年後位に又、母親が。

「息子が結婚した。相手はいい所の金持ちのお嬢様で、美人の上に性格がいい。お宅の娘は男を見る目が無いから、可哀想に」だって。


実害は無かったけど、この怖かった思いは、時々悪夢を見た時に思い出す。