息子が2歳の時の話。

紙いっぱいにお絵描きをしていたので、


「何を描いてるの?」


と、尋ねたところ


「んー、しろいおうち!」


と、答えた。


「そこには誰が住んでるの?」


“ボクとパパ!”って答えてくれるのを期待しつつ聞くと、


「んー、やともさん!」


自分の周りに“やともさん”という知り合いはいないし、息子からその名前を聞くのも初めてだった。

これはもしかしたら“そっち系”かなと思いつつ、質問を選んだ。


「そうなんだ? ちなみにやともさんは今どこにいるの?」


と聞くと、それまで目の前の紙を見つめていた息子の視線がじっと私に向き、こう答えた。


「やともさんは… どこにでもいる!」


背筋に冷たいものが流れるのを感じた。


それが妙に怖くて、ネットで検索をかけてみたが、当然のごとくヒットするページはなかった。


その後、十数年が経った今、息子にこの話をしたが、話の内容はおろか、やともさんというものにも、まったく心当たりがないらしい。


家にまつわる者だから、もしかして


“家友さん”


と書くのだろうか?


何にせよ、息子にとって害のない者であることを祈るばかりである。