やっかいな路傍の石

 

 「路傍の石」というのは、山本有三の小説で知られているけど、本来は「道端に転がっている、どうってことない普通の石」くらいの意味。ところが、今朝の新聞(中日新聞6月6日付け)には、結構、どうってことある石(正確にはコンクリート片)の写真と記事が出ていた。

 この石、毎時950ミリシーベルトの放射線量を出すやつらしい。こぶし大の大きさで、福島第一原発3号機建屋の西側で見つかった。なんでも、水素爆発した際に飛び散った建屋の破片だそうな。

200ミリシーベルトを超えると、何らかの障害を受ける確立が高くなるというから、950というのはかなり危険である。

小説『路傍の石』には「たった一度しかない一生をほんとうに生かさなかったら人間に生まれてきた甲斐がないじゃないか」という文面があるらしい(名作といわれる小説をあまり読んだことがないもので…)。

こんなぶっそうな石に出会った日には、たった一度しかない一生を棒に振っちまうことになる。路傍の石にも油断のならない時代なのだ。