5月24日に開催された習志野市教育委員会会議に消防署秋津出張所移転計画が報告されました。
現在、秋津3丁目に在る消防秋津出張所を老朽化・耐震化を理由に解体し、新たな出張所を第七中学校校庭南西(上図 教育委員会会議配布資料)に設置する計画です。
保護者や地域住民からは中学生や教育活動、生活へ影響が心配されています。
宮本市長 適切な公共用地が無い
宮本市長から小熊教育委員長へ提出された「中央消防署秋津出張所移転建替え用地の確保について」(協議)文書では、秋津出張所は「老朽化が著しく、耐震安全性の確保が必要であり、早急な対策が必要」と説明をしながら、「消防機能を維持しながら現在地での建替えは困難」と断言して「第七中学校敷地以外に移転建替え用地として適切な公共用地が無い」と第七中学校校庭の一部を出張所用地にすることを求めています。
学校教育に影響があってはならない 教育委員会
教育委員会会議では報告に対し、各教育委員から「学校教育に影響があってはならない。丁寧な説明が必要」「消防の音の影響がどう有るのか。きちんとやっていただくように要望する」「(移転予定地は)授業で使われていないのか」「きちんと説明するように求めていきます」など学校への影響、説明などが指摘されました。
今後、教育委員会内で話し合い、中学校校庭用地を消防用地にすることを「可」とするのか「不可」とするのか結論を出します。仮に、教育委員会が「可」とした場合は中学校用地を消防用地に切り替える議決を教育委員会が行い、移転計画が具体的に進められることになります。今後のスケジュールについては説明されていません。
緊急車両一日4~5件出動 60年~80年間利用
昨年度の秋津出張所からの消防・救急の緊急車両の出動は1635件で一日当たり4~5件です。朝から夕方まで教育活動を行う中学校の校庭でこれだけ頻繁に出動が繰り返されれば、授業や部活動の中断など影響が出ることも心配です。
また、出張所建設予定地の南側道路は秋津や谷津3丁目から第七中学校への通学路になっています。新たに緊急車両が出入りする施設を中学校校庭に建設するのは問題が多すぎます。
予定地はソフトボール場になっているので、ソフトボールをはじめ校庭の利用が制限されるのではないかと心配の声も出されています。
南側道路向かいには住宅地があり、居住者の生活にも影響が生じます。
習志野市第2次公共建築物再生計画では鉄筋コンクリート造などの施設の目標耐用年数を60年~80年と設定しています。急いで学校や地域住民との話し合いをおろそかにして校庭に出張所を作ってしまったら孫子の代まで動かすことはできません。
中学校以外の用地の選考を
秋津出張所は、総合福祉ゾーン・公園・公民館・図書館に囲まれた地域で活動しています。それを学校校庭の中に設置して活動することは問題が大きすぎます。学校施設への移転ありきの計画推進は断固反対します。既存の敷地内に仮設施設を設けて建て替えを行ったり、西隣の秋津公園駐車場(市有地)への移転など候補地をしっかりと検討することを強く求めていきます。
またも市有地の売却か
宮本市長は「未利用地については売却あるいは貸し付けなどによる有効活用を行い、財源の確保を実現する」と繰り返し主張して、なかよし幼稚園跡地や袖ケ浦西幼稚園跡地の売却を繰り返してきました。秋津出張所も「未利用地」にされて財源化(売却・貸し付け)される可能性が大いにあります。地域の都市計画を全く無視した民間売却も心配です。
なぜ、急遽計画の前倒しなのか? ずさんな計画
2020年3月に発表された「第2次公共建築物再生計画」では、秋津出張所は2031年から2033年の三か年で長寿命化改修または建替で、579百万円で実施する。長寿命化の場合は築後70年経過後の2052年度に建替に着手することになっていました。
ところが、2021年3月改訂の習志野市の公共施設等総合管理計画(令和2年度改訂)では、秋津出張所について「周辺の公共施設の再生事業との調整を図りつつ、計画の前倒し含め、早期の対策実施に向けた検討を進めます」と方針が変わってきました。
なぜ、2031年着工予定の建て替え計画が急遽、しかも大幅に前倒しされたのか、ずさんな計画も大問題です。
(入沢としゆき活動ニュース2023年6月号)