日本の活字文化崩壊が止まらない。先日全国紙大手・毎日新聞が富山県内での発行を取り止めたのに続き、今日夕方・東京新聞が23区内を除き、夕刊の発行を取りやめると発表し、衝撃が走った。

 

かつて夕刊紙と言えば、夏目漱石や森鴎外・三島由紀夫など著名作家の審査気宇発表の場であり、日ごろ朝刊の紙面ワク都合で掲載出来ない、調査報道の掲載の場であった。

 

いわゆるデジタル化の浸透で、日本人の大半が新聞を読まなくなり、それに伴って新聞と言う紙媒体メディアの衰退に拍車を掛けている。

 

だがその一方、新聞などの紙媒体メディアの存続必要性が、実証されてるケースも、少なくない。この「続・多事争論」でも紹介したが、新聞を教育に活用する運動を進めるNIE推進協議会が、全国の教育機関に新聞の無償提供を進めた結果、そうした活動を導入した学校の全国学力判定テストの成績が、大幅に向上した結果が出ている。

 

一部ICT推進関係者からは「単なる偶然。何故その活動にICTを介在させないのか。」と負け惜しみ的な意見も見られるが、知人の脳外科医は「ICT機器やデータが脳にダメージを与えている事は、医学的データからも明らか。医師の間でも、やむを得ない場合を除き、デジタル化されたカルテを、紙に戻そうとする動きが進んでいる。」と語ってくれた。

 

紙媒体と縁を切る事は、文字の筆記や記憶力の低下につながる事が、国語関係教育団体の調査で明らかになっている。傑作なのは、医療機関の初診で患者に書かせる問診票に、誤字脱字が乱れ飛んでると、やはり知人の医師が呆れ返っていた。

 

読む事だけに注力してる意見が交わされてるみたいだが、文字を掛けなくなることは、文明の崩壊が始まってると言わざるを得ない。世界の文明の攻防を見れば、書き文字の記録が減少していくのと併せて、文明の崩壊が進んでいくことが明らかである。

 

果たして、日本文明の今後は、いかなる行方を辿るのだろうか。天国の筑紫哲也氏も、きっと気をもんでいるに違いない。