「はぁ……土曜日は暇だなぁ……」
今日は土曜日。とくにすることもなくダラダラと過ごしている。まぁ来週テストなんだけどね。
「今日はなんかあった気もするんだよなぁ……」
だめだ。思い出せない。まぁいっか。
土曜日なんだから遊びに出かけたいけど一人ってのも寂しいし、遊びに出かけるような友達なんていない……。友達といってもアイツくらいかな……。アイツは大人しいし、返事もそっけない。でもなんだかんだ話は聞いてくれるいい奴……。
「あ」
思い出した。今日はアイツの誕生日だ。
そうだな……、すげーびっくり箱でも作ってプレゼントしてやろうかな。
こういう時、雑貨屋が近いと助かるけど生憎ちょっと遠い。まぁ行くけどね。
「びっくり箱作るっつったら、板とバネとなんかキモい物かな……」とか考えつつ雑貨屋へ向かった。
そしたらたまたまアイツがいた。
「あれ? こんなところで会うとか珍しいな!」
と声をかけた。
「まぁそうだね」
相変わらずそっけない返事。それにコイツが雑貨屋に来るとか想像もしてなかったわ。何買いに来たんだろ。
「何買いにきたの?」
「まぁ、色々と……」
ですよねー。
「ふぅん。あ、そういえばテスト近いけど勉強してる?」
「してない」
ガリ勉かと思ってたけど違ったか……。嬉しい。
「だよな! 仲間だな!」
「ちょっと急いでるからじゃあね」
「え? あ……」
いつもに増してそっけないな……。誕生日おめでとうっていい損ねたし。まぁあとでメッセージ送るか。とりあえず材料買って帰ろう。
「ふぅ……」
びっくり箱ができた。結構時間かかった……。
あ、でもこれどうやって飛び出て……「うおっ!」
いきなり飛び出てきてびっくりした。恥ずかしい。まぁこれならアイツもびっくりするだろ。
「あ」
メッセージ送ってなかった。送ろう。
『さっき言いそびれたけど、誕生日おめでとう! 凄いプレゼント用意したから月曜日楽しみにしとけよ~笑』
月曜日が楽しみだ。