ソロソロ、読み終わる深夜特急Vol4-シルクロード-
で面白いくだりがあったので、紹介したい。
インドの旅でも長距離バスの運転の荒さが記されていたけれど
隣国パキスタンはその上を行く壮絶さだったと言う一説
深夜特急Vol4-シルクロード-より抜粋パキスタンのバスはどれも相当くたびれているが、
目の前にある車はすべて追い抜かなければ気が済まないという勢いで強引走っていく。
中略
前にいるのが同じバスだと恐ろしい事になる。
こちらは汽笛を鳴らし、対向車線を大きく回り込んで、追い抜こうとする。
しかし、相手も負けじと頑張る。
二台のバスが並行して走っていると、向こうからもバスがやってくる。
中略
三台のバスが、猛スピードでチキン・レースを始めてしまうのだ。「安全に目的地へ乗客を乗せる」なぁんて考えは微塵もないようだ(笑)
一体彼等にとって大切な事はなんなのか?なんとも、魅惑的なパキスタン。
そして、暴走バスの珍事件は続きがある・・・
日が暮れ、しだいに闇が深くなる。もう夜だというのに、運転手は依然として飛ばす。
今度こそ本当に哀れ異国の土となるのだろうか・・・。
中略
ホッと息をついた、まさにその瞬間、激しい衝撃を受けた。
中略
追い抜いたバスの前に乗用車がいて、それにぶつかったのだろう。
しかし、このバスは少しも停まる気配を見せない。
中略
1キロくらい走ってから速度をいくらか落とし、運転手が振り返り、
「どんなもんじゃろ」
といったような事を言う。すると最後部の座席のオッさんが背後を見やり、
「なんだかわからんが、後ろから車は来るぞな。動いとるんじゃ平気だわな」
てなことを言い返す。動いているのは別の車かもしれないのに、
車内の人々は何か深く頷いて、口々に叫ぶ。
「チャロ、チャロ!」
つまり、さあ行こう、行っちまえ、といっているらしいのだ。
私は唖然とし、次に腹の底から笑いたくなってきた。
運転手といわず乗客といわず、交通事故に関するこのいい加減さはなかなかのものだた。
私もつい調子に乗って、チャロ、チャロ、と叫んでみたくなった。
「郷に入れば郷に従う」というけれど、
本当に行く先々、珍事件を受け入れ、笑い飛ばせる著者の変化が面白い。
人としての器は大きくなるに違いない。
しかし、コレまで培った常識やら価値観は木っ端微塵であろう
世界はいろんな意味で広いんですね。