いつのまにか、息子の倒れた日が過ぎ去ってしまっていた。
１１月に入った時に、もう三年も経ってしまったんだって考えていたのに・・・
あれやこれや忙しい日々を過ごしていたら時間も日数も過ぎてしまった
去年は涙しながら二年前のことを思い出していた
あんなことも、こんなこともあったって頭の中がいっぱいだった。
病気前の息子の顔や姿が離れなく、いつもの仕草が焼き付いていた・・・
いろんなこと思い出しながら泣いていた
だけど、三年経った今思い出して泣くことが少なくなった。
大声出して泣くときは喧嘩した時に辛くて悔しくて泣いている
今の私には、今の息子しか映っていない。もう、前の息子の影が薄くなってしまっている。
勿論、２２年間一緒に過ごした時間は忘れてはいない。
あの逞しく、シャイで優しかった息子を忘れることは出来ない・・・
今はよく喋るし、思った事はそのまま口にして人の気持ちなんか考えない。
別人になった息子を私は受け入れている。
どんな息子でも愛おしく可愛い。直ぐに怒り出し私に手を出すけど許してしまってる。
２２年間元気に過ごしてきたけれど、それと同じくらい今の息子と過ごすことになるだろう
私はよぼよぼのおばあさんになってしまうけど、今の息子と一緒にいたい。
いつのまにか、現実と向き合えるようになっていた。
あんなに現実が信じられなくて、毎日が嘘であって欲しいと願っていたのに・・・
今を大事に生きたい。一日、一日を大切に生きて行きたい。
天気が良い日はＰＴさんと外歩きする。駐車場をグルッと回って戻ってくるのだが、
バス通りの家は丸見えだ。でも、気にしない。息子はこんなに頑張っているんだもの
あんなに外に出るのが嫌いだった。歩行訓練さえ嫌がる時があった。
いつのまにか、時が経ち息子の心が変化していった。
私は息子からたくさんのことを学んでいる。勇気と力をもらっている。
こんなに強くなった息子に感謝、ありがとう
ただ、ひとつ言いたいことは怒りっぽい性格を直して欲しい。
疲れたり、お腹が空いたり、思うようにならなかったらいつも怒っている
ＰＴさんが言っていた。「いつも、笑って
笑うことが一番良いんだよ
」
怒った時は、言い返さないで変顔をして見せるようにした
怒った顔がいきなりゲラゲラ笑い出し止まらなくなった
父親にも同じことをしてもらった。笑い声、笑う顔、とっても良い気分になれる
