外来リハビリのSTの担当者の女の先生が退職される事になった。
突然の報告で息子も驚いていた。
今までのスタッフの中ではお気に入りで素直に受け入れて訓練が出来ていた。
STさんが「次で最後です。」とご挨拶に来られたときに、「手紙を書きます。」と約束した。
家へ帰って、夕食後に手紙を書くことにした。
息子 便箋と鉛筆用意してね。
五種類の便箋の中から息子の好きなデザインを選ばせた。
息子 これがいい、ニャンコのやつ。
一番かわいいユニークなのを選んだ。
久しぶりに書く手紙、ちゃんと書けるだろうかと心配だった。
息子 お母さん、横で見よってね。
母親 わかった、見よくから思ったこと書いて。
きちんと、STさんのフルネームを漢字で書いた。
丁寧に一文字ずつ書いていく。
「たくさん、勉強させてくれてありがとうございました。」
「さみしいです(涙)」
感動するような事を書いていた。
最初は丁寧だったのが、だんだん斜めになり字が大きくなっていく。
息子 疲れた~
母親 久しぶりに、考えて書くからね。
一枚を書き終えて便箋に入れろうとしたら・・・
息子 もう一個書きたいことがあった。
母親 追伸でもう一枚書こうか。
「追信、いつもふざけてごめんなさい(笑)」
誤字があったけど書き直さずにそのままにして渡す事にした。
息子は慣れ親しんだ相手にはふざけてしまう所がある。
STさんの時間、ドリルをする時に順番どうりに解かずにバラバラに書くらしい。
リハビリ病院の時が集中出来ずに気が散ってバラバラにやっていた。
心配して、デイで宿題をする時に順番どうりに解いているか確認したら、
「上から順番に解いて、早いですよ」と・・・なんだ、出来るんだとホッとした。
手紙は、手渡した時に自分で読んで渡したようだ。
STさん 記憶力がいいですね。まだまだ伸びますよ。
安心するお言葉を頂いた。今のSTさんが毎回「今日のニュース」を言わせて、
国語の本を読ませ、記憶力や感情を引き出してくれた。
STさん ここに来て出来るようになった事は何。
息子 ニュースを見るようになった、長く喋れるようになった。
親しんだ人とのお別れは寂しいけれど、感謝の気持ちを忘れずに・・・
今までありがとうございました。
別れがあれば、次には出会いがある。そして成長していくのだろう・・・