今回は民法の即時取得について考えていきましょう‼︎
即時取得とは、取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有をし始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する(192)というものです。
これを聞いて皆さんどう思いますか?なぜ、善意で過失がなければ他人物であっても取得できてしまうのか。おかしいと思う人もいるかもしれませんが、これが民法の考え方なのです。では、なぜこのような考え方がとられているのでしょうか。
それは、取引安全を保護する必要があるからです。動産は不動産とは違い、登記がないので、誰が所有者か分かりにくいですよね?
例えば、学校で、教科書を借して、その教科書がなかなか返って来ず、どこに行ったのかわからなくなる。なんてことありませんでしたか?
そのような事態を防ぐために、無権利者からの譲受人も物権を取得できるとする即時取得という制度ができました。(だからといって人からのものをもらっていいわけではないですよ?笑)
民法では、このように権利者よりも、取引安全を重視しています。
代表的な判例を見ていきましょう‼︎
(最判昭和26・11・27)
善意無過失とは、動産の占有を始めた者において、取引の相手方がその動産につき無権利者でないと誤信し、かつ、そう信ずるにつき過失のなかったことを意味し、その動産が盗品である場合においても、それ以上の要件を必要としない。
自分が掴んだものが盗品だったなんて怖い話ですね、、
これは例えば、フリマアプリなどで誰かが盗品を販売しており、それを知らずに(善意)で購入してしまった場合などが考えられます。
フリマの購入者は盗品とは知らず、お金を払って購入しているので、何も悪いことはしていませんが、外見上は盗品を購入していることになりますよね?
しかし、その度、所有者から返還を求められたら困るので、即時取得を認めたというわけです。
では、即時取得の要件とはなんでしょうか?動産であって、平穏に占有とはなんなのかが問題となります。
即時取得の要件を見ていきましょう。
①動産であること
・原則不動産以外すべての財産
・登録された自動車や船などは即時取得は認められない
・金銭は即時取得が認められない(金銭は価値そのものなので、占有あるところに所有があるから)
②有効な取引による取得であること
・競売による場合も即時取得の適用あり
・山林の伐採については適用がない
・贈与契約も取引行為である
・相手方が詐欺・錯誤・強迫・制限行為能力者(未成年など)による取消、無権代理などを主張できる場合には、即時取得は成立しない。ただし、取消後の転得者には適用あり。(取消後に引渡しを受けなかった取消権者に帰責性あるから)
③相手方に処分権限がないこと
・あくまで、無権利者からの譲受人を保護する制度だから
④前者に占有があること
・権利外観法理から
⑤平穏・公然・善意・無過失に占有を取得したこと
・平穏・公然・善意・無過失は推定される
・半信半疑は悪意
⑥占有の取得
・占有改訂で即時取得は成立しない(即時取得とは原権利者から権利を奪うという強力な制度であるため、強固な占有移転が必要である)
盗品遺失物の例外
・即時取得が成立する場合において、占有者が盗品または遺失物であるときは、被害者または遺失者は、盗難または遺失の時から2年間、占有者に対してそのものの回復を請求することができる(193)
・その占有者が、盗品または遺失物を、競売もしくは公の市場において、またはその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者または遺失者は、占有者が支払った対価を弁償しなければ、その物を回復をすることができない(194)
どうでしょうか?即時取得について少しは理解が深まりましたか?
即時取得とても面白い制度でした‼︎
