かなりのご無沙汰、申し訳ない。
昨日リクエストを頂くなどしたため、続編を書き進めよう。
最近、技能実習生の現状はNHKの番組などでも紹介されて
おり、以前よりはダークサイドの内容も世間に伝わっている
ような感じではあるが、まだまだ不十分。
当社の実習生たちも何とか2年目に突入し、業務にも
習熟してきたが、まあまだ問題も多々ある。
だが、彼ら自身の問題点の前に、まず法制度の問題点、
これが大きく立ちはだかって、正直な話、無事に2年目を
迎えられるかどうか、昨年の今頃は怪しかったのだ。
まず当初のお約束、技能実習生の就労ビザ、これが実は
「最初から3年間OK」ではないのだ。
これを受入機関の特殊法人が告知してくるのは、実習生
の受入から半年ほど経過した後だ。これがまずおかしい。
一般企業であれば重大なコンプライアンス違反に当たる。
きちんと最初から言えよ!
一年目のビザの期限が切れる少し前に、各社で申請した
業務区分の国家試験、筆記と実技を技能実習生の諸君に
受験させ、それに合格しないと、2年目以降の就労ビザが
もらえない仕組みになっているのだ。
しかもその試験、当社の場合は機械組立仕上作業という
区分の試験であるが、筆記も実技もかなり難しい。
グレードは最も簡単な「基礎級」となっているが、専門家
に暫く試験対策指導をしてもらわない限り、日本人でも
合格はできないだろうというレベル、もし無対策であれば
日本人でも機械メーカーの工場で数年程度就労しないと
合格は困難なのではなかろうか、というレベルなのだ。
全て〇×回答のたった20問の試験であるが、例えば
旋盤の絵が描いてあり、これはラジアルボール盤である
〇か×か、それって、平素旋盤もラジアルボール盤もある
工場内で数年程度就労していれば即答できるが、来日
半年の外国人技能実習生がわかるわけないだろ!
しかも当社の場合、小さなボール盤程度の工作機械
しか工場構内には置いていない。
当社の場合、小生が筆記試験と実技試験の内容を
特殊法人の担当者から受領し、あまりの難しさに驚愕し、
一週間程度はどうすれば良いか、案も浮かばなかった。
合格ラインは70点、すなわち20問のうち、14問正解
せねばならない。
特殊法人はもとより機械の専門家ではないので、
まともなアドバイスは一切してくれない。しかも、
技能実習生諸君の学力レベルは前回のブログで
述べた通り先進国の中学生にも及ばない程度である。
本件は悩ましてもらったよ。ほーんと。白髪が
昨年あたりから倍増したかも。
10日後くらいに、まずお国系の日本語学校に連絡し、
日本語教師を週2回、就労の定時時間内に2時間来て
もらい、まず実習生の日本語の訓練から始めた。
試験前の3か月、就労時間を週4時間潰しての
日本語指導を敢行し、ようやく試験の日本語が
理解できるレベルに達したという感じ。
日本語教師は日本語の指導経験はあるものの、
ただのおばさんであったため、当該試験の内容を
まず小生がこしらえた解説も添えて説明し、週2回の
指導時に必ずそれらを盛り込んでもらうようにした。
実技試験に関しては、機械加工と組立作業で、
内容は事前に確定していたので、実技試験用の
テストピース、すなわち加工用の金属の塊を
2名×3回分程度手配し、最寄りの職業訓練校に
連絡して専門の先生に実技指導に来てもらうように
した。試験前に3回来社してくれて、しかも実習生が
理解しやすいように絵入りの解説を自分でこしらえて
くれるなど、ホスピタリティに満ちた年配の先生で、
しかも当該試験の検査官の経験もおありとの
ことであった。
実技試験の実施に当たり、当社に無い工具も
全て無償で貸与してくれるなど、至れり尽くせりの
ご指導を仰いで、やっとぎりぎり合格できるレベルまで
技能を高められた。この老先生には感謝しかない。
3月某日、ついに会社にお国の試験官を呼んで実技
試験と筆記試験を実施してもらった。
結果は無事合格、そしてようやく2年目3年目の
ビザがもらえる運びになった。実習生諸君も努力したが
本当に先生に恵まれた。もし先生に恵まれなければ
違った結果であったに違いない。
安堵はしたが、日本全国というレンジで見ると、
ビザがもらえず、1年で帰国した技能実習生も相当数
居るに違いない。帰国を強要され、脱走した奴も必ず
居るだろう。
小生が申し上げたいのは、仮に脱走した奴が居たとしても、
それは脱走した技能実習生の責任じゃなくて、半分くらいは
お国の責任であるということだ。制度があまりにも
厳格で、「馬鹿はお国に帰れ!」になっているというだけだ。
最近メディアで報道されているように、技能実習生は
3年の就労を5年に延長できるようになったのであるが、
この場合、「基礎級」よりも更に上のレベルの試験
に合格しないとビザは発給されない。
機械組立仕上作業のもう1グレード上の試験を見て
小生が下した判断は、「5年は無理。3年で帰れ!」
である。悲しいがこれが現実。
当社のようにベトナムに拠点があればまだ良いが、
何もない中小企業は大損である。たった3年程度の
現場就労で、実習生側と企業側双方がいったい何を
得られるというのか。早期の法改正を切に望むのみ。
また、最後になるが、今年から技能実習生の受入
に関わる受入企業側に課せられるかなり馬鹿げた
最悪な制度が新設された。
おそらく受入はこれで更に困難になるだろうね。
これはまた次回に述べよう。