環境ホルモン② | まやまりんブログ@日々のエッセイ・・etc


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環境ホルモンの脅威
  動物や植物は全て、その細胞の中に「遺伝子(DNA)」というものを持っています。
この遺伝子とは、その生物のからだ作りについての、
いわばプログラム、設計図の役割を果たすものです。
もっとも、遺伝子だけで身体が健全に発育し、機能するわけではありません。
この遺伝子に発動命令を出す「伝令役」がいます。
その代表選手が、「ホルモン」と呼ばれる物質です。
ホルモンは、生物の生体を構成する、何十兆という細胞の中の遺伝子情報を引き出し、
正しく作用させるという大事な役割を果たします。
身体の健全な成長などを促す、欠かすことの出来ないものなのです。
ところが最近、このホルモンと同じような顔をした「ニセモノ」の登場が問題になり始めていました。
すなわち、「環境ホルモン」です。
このニセモノは、天然ホルモンと似たような力を持った化学物質で、
身体に入り込むと、勝手に遺伝子に命令を出してしまいます。

例えば、天然の女性ホルモンと同じような働きを持つ環境ホルモンを、
外部から摂取してしまった場合、ホルモンの作用を受ける遺伝子側は、
女性ホルモンが命令を伝えてきたものと誤解してしまい、
本来と違った身体の作用を引き出してしまうことになるのです。

これが「オスのメス化」というような、
不自然な事態や、然るべき時期に、然るべき成長を遂げられない
「発育不全」、あるいは生殖器官などの異常を引き起こしてしまうのです。
ホルモンが正しく作用しないと、遺伝子がどんなに正常でもそのプログラムは実行されません。

されないばかりか、間違ったタイミングで命令を、実行してしまうことさえある。
ホルモンの「かく乱」、つまり環境ホルモンの問題が、
遺伝子の異常に引けを取らない恐ろしい影響を引き起こすものであることは、想像がつくでしょう。


《転載終わり》