7月7日の七夕に実施された東京都知事選挙は史上最多となる56人の候補が立候補し、大規模な選挙戦となった。また今回の都知事選は今年末に実施されると予想される衆院選の前哨戦とも考えられ衆目を集めていた。

都知事選の主要4候補
 
〚選挙結果〛
勝利に湧く小池都知事陣営
 
 結果は自公国3党と国内最大の労働組合を味方につけた現職の小池百合子氏が約291万票を獲得し得票率42%で当選、3選を確実な物にした。次点につけたのは無所属、支援政党無しの石丸伸二候補で約165万票を獲得し得票率は24%で惜しくも落選した。

 3位は立共社3党の支援を受けて立候補した蓮舫候補で得票数128万票、得票率18%で落選、4位は保守派の支援を受けて立候補した田母神俊雄候補で得票数は27万票、得票率は4%で落選した。

 なお56名の都知事候補の得票率は上記の4候補が合わせて90%近くとなり殆どが4候補に入れていることになる。

〚都知事選挙の争点〛
都知事選の主要4候補の選挙討論会

 今回の都知事選で当初争点となったのはズバリ8年間に渡る小池都政の評価と小池都知事の経歴詐称疑惑や都を財政破綻寸前にまで追い込んだという疑惑だ。

 しかし小池都知事は他の3候補らと異なり選挙期間中、殆ど立ち合い演説会や選挙集会を開かず表舞台に立たない事で自身の疑惑をかき消したといえる。実際、石丸、蓮舫、田母神ら3候補の選挙活動は小池の不正追求よりも自身の掲げる政策を訴えた物となった。そのため小池都知事の疑惑や小池都政の失政は有耶無耶にされてしまった。

 
〚石丸躍進の衝撃〛
 今回の都知事選挙で1番の衝撃となったのがやはり無所属、支援政党無しの石丸伸二の圧倒的な躍進劇だ。

 当初は泡沫候補程度だった石丸が選挙戦が進むにつれ主要候補という扱いを受けるようになり結果的に国政野党連合候補の蓮舫を上回る得票率と得票数となった。石丸はどの政党からもどの政治家からもどの政治思想勢力からも支持を受け付けずまさに無党派層、政党政治に反対する層の票を集めたといえる。

 無党派の石丸候補の台頭について蓮舫氏の応援演説に入った最大野党立憲民主党代表代行の辻元清美参院議員は「既存政党が嫌われた感がある」と評した。一方で蓮舫氏が無所属、無党派候補を謳いながら結局の所立憲民主党や社民党、共産党といった既存政党に助けを求めた事が当初蓮舫氏を支持していた無党派層の有権者からの反感をかってしまったと自分は予想している。