フランスで6月30日に実施された議会選挙で与党中道派の「中道連合」が大敗。左派の社会党共産党も伸び悩んだ為、野党極右派の「国民連合」が過半数を獲得し、政権を奪取する勢いだ。

フランス予想獲得議席(引用TBS)

   フランスでは移民問題や長らく続くウクライナ戦争を巡って国民の不満が高まっていた。更に物価高も相まって中道派政権に対する不満が燻っていた。一般極右野党「国民連合」はフランス第一主義フランス民族主義保護貿易など愛国的イデオロギーを国民に訴えかけ現状の打破を強く主張していた。

【極右首相誕生か?】
 もしこのまま極右の「国民連合」が議会多数派になった場合、国民連合の党首であるジョルダン・バルデラが首相になる公算が高い。
極右党首 ジョルダン・バルデラ

 極右首相が誕生すれば大統領と議会のねじれ現象は避けられない。中道派マクロン大統領と右派バルデラ次期首相の対立は必至だろう。マクロン大統領は極右派「国民連合」の反LGBTや反ユダヤ主義、反難民主義人種差別だと批判したが当のフランス国民は差別問題や移民問題よりも自分達の生活を支える政党を選んだのだろう。 なにはともあれ大統領派の与党は大敗し極右派が勝利する事となる。

【全世界的右派の台頭】
 近年世界では極右を含む右派勢力が勢いに乗っている。2022年にはフィリピン、、スウェーデン、韓国、イタリアなどで右派政権が、 2023年にはインドネシア、フィンランド、アルゼンチンなどでも右派政権が発足した。

 これらの右派政権の特徴は反移民、難民、反グローバリズム、反自由貿易である。中には差別的な言動を取る政権もあり欧州連合の「国境を越えた友好、価値観」が崩れさる可能性も指摘されている。